『朝日新聞』の記事;
戦後の経済成長を支えた日本式計画経済の仕掛人。通産官僚時代には石油に関わり、また退官後には「電源開発」。そういうわけで、原子力村にも石油村にも電力村にも関わってきたわけだ。ところで、「電源開発総裁」という表現は若い人々にはちょっと註釈が要るのかも知れない。最近では寧ろJ-POWERという名前の方で知られている「電源開発」*1は個別の地域電力会社では手に負えない電源としての発電用ダム建設などを担うために設立された国有の特殊法人で、民営化されて株式が上場されたのは2004年になってからだったのだ。昔の国鉄や電電公社と同じく、国有企業だったので、そのトップは社長ではなく「総裁」と呼ばれた。
元通産次官の両角良彦さん死去 「官僚たちの夏」に登場2017年8月21日18時11分
両角良彦さん(もろずみ・よしひこ=元通商産業省〈現経済産業省〉事務次官、元電源開発総裁)が11日死去、97歳。葬儀は近親者で行った。後日、「お別れの会」を開く予定。連絡先は電源開発秘書室(略)。
42年、商工省に入り、71年から2年間、通産省事務次官。75年から8年間、電源開発総裁をつとめた。日本銀行政策委員や朝日新聞紙面審議会のメンバーも歴任した。城山三郎の小説「官僚たちの夏」に「西洋カミソリ」のあだ名で登場した。ナポレオンのモスクワ遠征をテーマにした「1812年の雪」で、日本エッセイスト・クラブ賞を受賞するなど文筆活動にも力を入れた。
http://www.asahi.com/articles/ASK8P5FXSK8PULFA01M.html