50歳

河瀬直美*1の新作は既に最終的な仕上げの段階に入っているのか。
スポーツニッポン』の記事;


河瀬直美監督新作「光」で永瀬正敏水崎綾女がキス

記事提供:日刊スポーツ
2017年3月9日



 河瀬直美監督(47)の新作「光」(5月27日公開)の特報映像と新たな画像が9日、公開された。その中で、主演の永瀬正敏(50)と共演の水崎綾女(27)が、劇中でキスシーンを演じていることが明らかになった。

 キスシーンは、夕日が差す中、水崎演じる美佐子が、永瀬演じる視力を失ってしまうカメラマン・雅哉の顔を両手で引き寄せて突然、口づけする。そんな美沙子を、真正面から受止める雅哉…重ねた唇を離しても、鼻が接するくらいの近距離で互いの瞳を見詰めあう、2人の全身に光が注ぐ。シーンは一瞬だが、2人の横顔から感情があふれ出すような、切なく、美しい映像が印象的だ。

 撮影は16年10月中旬から約1カ月、行われた。水崎はキスシーンを演じた当時の思いを、次のように振り返った。

 夕日のキスシーンは、タイミングを狙ってしたというより、とっさに、衝動的にしてしまったという方が正しいですね。演じている時は、私を見て欲しい、雅哉さんの心が知りたい、安心させたい、そんな思いでした。大切な物を失ってしまうカメラマンの雅哉さんに、かける言葉がなくて、ああするしかなかったですね。本能のままのキスは、お互いを求め合う気がして好きです。心と心でぶつかっている感じがするので。言葉をかわすよりも、もっと伝わった気がしました。

 水崎が美佐子という役を演じながら、キスを「とっさに、衝動的にしてしまった」裏には、河瀬直美監督の高く、厳しい要求と、独特の演出がある。河瀬監督は俳優陣に、演技を超えた生の表現、感情を求め、そうした感情を生み出すために役として生きることを要求する。台本の中で細かな設定をせずに、役者のアイデア、アドリブが要求されるシーンでは、カメラを回す直前に突然、俳優にメモを渡して即、演じることを求め、生の感情を引き出すことも少なくない。

 永瀬は雅哉を演じるために、撮影前に弱視の人から話を何度も聞いた上で、弱視体験ゴーグルを着けて街を歩いた。水崎も美佐子を演じるために、撮影前からロケ地の奈良に住み、美佐子が生業としている、映画の視覚障害者向け音声ガイドの制作にも取り組んだ。ともに24時間、役として生きる日々を送った。

 台本には、夕日の中でキスをするという設定もせりふもあったが、24時間、役の美佐子として生きていた水崎にとっては、設定やセリフを超えた雅哉への思いが自然に出て、何かに取りつかれたように永瀬の頬を衝動的につかみ、キスをした…そのことを「本能的」と表現したようだ。

 「光」は、視覚障害者向け映画のモニター会で、弱視の天才カメラマン中森雅哉と音声ガイドの制作にたずさわる尾崎美佐子が出会い、音声ガイドの製作過程で衝突を繰り返しながらも、互いの心を通わせていく。雅哉の目が見えなくなることを知りながらも、美佐子がその内面にひかれ、互いの心を見つめようとする、切なくも希望を感じさせてくれるラブストーリーだ。永瀬と水崎のほか、神野三鈴(51)、白川和子(69)、そして劇中映画の主演と監督役として藤竜也(75)が出演する。

 河瀬監督は現在、フランス・パリに滞在し、「光」の最終的な音の編集作業を行っている。【村上幸将】
http://www.asahi.com/and_M/interest/entertainment/Cfettp11703080049.html

一瞬、もう永瀬正敏って50歳なんだ! と驚いたが、考えてみれば元妻の小泉今日子*2も50を超えているので、別に驚くにはあたらないわけだ。或る世代(1970年代に自我や性の目覚めを経験した世代)にとっては、脇役の白川和子*3藤竜也も気になるんじゃないだろうか。