ムサシの受難を思い出して

一九八四年[新訳版] (ハヤカワepi文庫)

一九八四年[新訳版] (ハヤカワepi文庫)

承前*1

「「トランプ政権の『事実』と『代替的事実』」(WSJ)/「『1984年』の売り上げ急増、トランプ政権が影響?」(CNN)」http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20170128/1485572178


曰く、


私は正直言って、最初に総理大臣になる5年も前の2001年にNHK教育テレビの番組を改編させたことを皮切りに、2014年にはNHK会長に籾井勝人を送り込み、昨年には自らにとって不都合なキャスター3人の首を相次いで飛ばした(陰険な)安倍晋三こそ『1984』的権力者であって、気に入らないマスメディアの報道にいちいち噛みついている(陽性の)トランプなど『1984』的権力者になるための入り口に立っているに過ぎないと思う。

ただ、面白いと思うのは、安倍晋三は権柄ずくでNHKをはじめとするマスメディアを屈従させたのに対し、トランプを大統領に押し上げる過程で数多くSNSなどで撒き散らされたという「偽(嘘)のニュース」は、日本でいうネトウヨのようなアメリカの草の根右翼によって流布した方が権力者(トランプ)に先行しているように見えることだ。もちろん日本でもネトウヨによるでたらめな風説の流布は昨今目立つが、それよりも2001年に安倍晋三NHKの番組を改変させた方が早かった。「4年遅れの安倍晋三」トランプ(ことメディア工作に関しては、トランプは安倍晋三より4年どころか15年も遅れているとさえ思われる)の場合は草の根の動きが権力者のそれに先行しているかのように見える。

なお、トランプがよく言う「不正選挙」については(これにはトランプ陣営自身が本当に不正投開票を行っていた疑惑が指摘されているが)、2012年の衆院選で「小沢信者」がトランプに先行して同様の風説を撒き散らしていたことも指摘しておこう。そんな「小沢信者」たちがいま「トランプ擁護」の論陣の先頭に立っていることは決して偶然ではない。「小沢信者」どもを揶揄する「ネットde真実」という言葉も、数年前から日本にはあった。

米国のAlt-right*2については、要するに〈米国の日本化〉ってこと? と思わないでもなかった。Bathing hot water!
それにしても、「ムサシ」という企業の関係者は選挙の度に鬱になるんじゃないだろうか。「小沢信者」の攻撃によって*3。まあ「ムサシ」に対して自爆テロを敢行する気概のある「小沢信者」なんかまずいないだろうということはわかっているので、ちょっと胃が痛くなる程度で済んでいる? 「不正選挙」陰謀理論というのは負けた側の負け惜しみの手段として発せられるのが普通だろう。まさに「小沢信者」の如く。トランプの特異性は、一応自分が勝っているのに「不正選挙」陰謀理論を喚き立てていること。
さて、「信者」ではなく小沢一郎本人のドナルド・トランプに関するコメントが発表されたようだ;

小沢氏「経済的な切り口で…」トランプ大統領に言及
[2017年1月24日22時32分]



 自由党小沢一郎共同代表は24日の定例会見で、トランプ米大統領について、今後、経済面で、日本に対する「物言い」が増えてくるのではないかという見立てを披露した。

 小沢氏は、「(トランプ氏は)日本でいう経団連的な(組織の)既存のメンバーということではないんでしょ。(会社は)父親の代からだそうだが、自分で、たたき上げで財産をつくった感じの人なんでしょう」と指摘。「それだけに、同じ金持ちであっても、彼自身が既存の政治経済の仕組みや、ルールに対して反発を持っているかもしれない」と述べた。

 その上で「政治的な面で、あまりとっぴなことをすると騒ぎになってしまうから、そうそう大きなことをやるとは思わないが、経済的な面の切り口では、結構なんやかんや、やってくるんじゃないかな」と予測。「日米間でも、安保(などの問題)もあるが、貿易の摩擦が大きな焦点になる可能性があるとすれば、そういうことではないかという気がする」と述べた。

 「アメリカ・ファースト(米国第一主義)」を掲げるトランプ氏は、対日貿易に関し、日本や日本企業を名指しで批判するなど、強硬姿勢を崩していない。23日には、オバマ政権で合意していたTPP協定から「永久に離脱する」とした大統領令にサインした。
http://www.nikkansports.com/general/nikkan/news/1769732.html

「信者」の反応についてはわからず。