宇都宮ではなかった

朝日新聞』の記事;


男性警官、同僚女性にプロレス技 撮影し共有 滋賀県警

2017年1月27日11時32分

 滋賀県警長浜署の男性署員が昨年11月にあった懇親会の席で、女性署員にプロレス技をかけ、参加者がその様子を携帯端末で撮影して一部で共有していたことが27日、県警への取材でわかった。県警はセクハラ行為の可能性もあるとして調べ、処分を検討している。

 監察官室によると、懇親会には25人が参加。警部以上の幹部はいなかった。途中、男性署員が余興で参加者にプロレス技をかけた。20代の女性2人には両手をつかみ、両足を絡ませて仰向けに反らせる「つり天井固め」をかけたという。監察官室は「適切な行為ではない。調査結果を踏まえて厳正に対処する」としている。
http://www.asahi.com/articles/ASK1W3K31K1WPTJB00M.html

「つり天井固め」というプロレスプロセス技があったんだ! 宇都宮城とは関係がないわけだ。『産経新聞』では図解を載せている*1。これベッドの上でやったことがある! という男性は私も含めて少なくないのでは?
さて、「宇都宮城吊天井事件」だけれど、手軽にまとまった知識を得るということではWikipediaに勝るものは管見の限りないようだ*2。ただ、項のタイトルは〈宇都宮城吊天井冤罪事件〉とでもすべきだろう。また、歌舞伎や講談などのフィクション化については殆ど言及がない。
栃木県教育委員会曰く、

宇都宮城主本田正純(ほんだまさずみ)*3が、日光社参から帰る将軍をからくり仕掛けの天井をつくって暗殺しようとした事件のことです。

正純が突然宇都宮城を取り上げられたことから生まれた創作です。

その後、講談・芝居の題材となり、全国的に広まりました。
http://www.tochigi-edu.ed.jp/furusato/detail.jsp?p=33&r=157

「暗殺しようとした事件」は〈暗殺しようとしたとされる事件〉にすべきか。
また、栃木県広報課曰く、

幕閣から遠ざけられたのを恨んだ本多上野介正純は、2代将軍・秀忠が日光参拝の途中、宇都宮城に寄るのを機に将軍を亡き者にしようと、釣天井の仕掛けを持った御座所をひそかに場内に建築し、機会を待った。

しかし、釣天井を作った大工からもれ、未然に鎮圧され、正純は家禄を没収され流罪となった。
http://www.pref.tochigi.lg.jp/c05/intro/tochigiken/hakken/mamechishiki3_04.html

これは「とちぎの伝説」の中の記事で、最初から事実じゃないよというのが前提とされているので、このままでイキということになる?

*1:「スカートの若い女性署員に「つり天井固め」 長浜署の懇親会余興…セクハラ調査」http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170127-00000523-san-soci

*2:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%87%E9%83%BD%E5%AE%AE%E5%9F%8E%E9%87%A3%E5%A4%A9%E4%BA%95%E4%BA%8B%E4%BB%B6

*3:正しくは本多。