電気を食べる

平坂寛*1デンキウナギを捕まえて、感電して、蒲焼きにして食べた」http://www.monstersproshop.com/eat-an-electriceel/


アマゾン川水域(ガイアナ共和国)でデンキウナギ*2を釣り上げ、捌き、食する。それだけじゃなくて、わざわざ「感電」を体験する。読んでいるこちらも、何だかびりびりしてくるぜ。
さて、デンキウナギの肉を生(刺身)で食べると「電気の味」がするという;


電気の味というのは、わかりやすく言えば「銀紙の味」である。銀紙(アルミホイル)を口に入れて、舌に嫌な味を感じた経験は無いだろうか。あの現象はアルミホイルと歯の詰め物やスプーンなどの間に電流が走ることで生じるものである。つまり、あの変な味は電気そのものの味なのだ。そして、デンキウナギの刺身の味はアレにそっくりなものだった。

美味いか不味いかで言えば、明らかに不味い部類であるが、そんなことはこの際たいした問題ではない。「デンキウナギは死してなお、刺身にされても電気を発している」という事実を舌で知れたことが重要なのだ。

また、デンキウナギの「蒲焼き」は「食感が豚角煮の脂身にそっくり」だという*3
平坂氏はデンキウナギの「顔つきを他の魚に例えるならば、ウナギ科の魚よりもむしろヒゲの無いマナマズに近い印象である」と書いているが、デンキウナギを含むデンキウナギ目というのは鯰に近いらしいのだ*4。まあ何ちゃらウナギというのはどれもウナギ目とは関係なく、田鰻はどちらかといえば鱸、鰈、金目鯛、河豚などに近い魚であり*5、八目鰻は魚類でさえない。鰻に近いウナギ目の魚といえば、穴子、鱧、鱓などであり、形態にしても味にしても、まあ納得できるだろう。
因みに、IUCNのRed Listでは、デンキウナギは絶滅可能性が最も少ないLCである*6