もう一人

承前*1

新しい情報ではないけれど。
朝日新聞』の記事;


別の医師も飲み会に参加、県警が捜査 千葉大集団強姦

朝日新聞デジタル 12/7(水) 1:31配信


 千葉大学医学部の男子学生3人が集団強姦(ごうかん)致傷容疑で逮捕された事件で、現場となった千葉市内の飲食店での飲み会に、女性の体を触るなどしたとして逮捕された医師とは別の男性医師もいたことが、関係者への取材でわかった。県警はこの男性医師も事件に関わった疑いがあるとみて、詳しい経緯を調べている。

 5日に準強制わいせつ容疑で逮捕されたのは、同大医学部付属病院の研修医の藤坂悠司容疑者(30)。集団強姦致傷容疑で逮捕されたのは、いずれも同大医学部5年の吉元将也(23)、山田兼輔(23)、増田峰登(23)の3容疑者。

 6日の同大の記者会見によると、藤坂容疑者は千葉県船橋市の病院で2年間研修医をした後、今年4月から千葉大医学部付属病院の研修医になった。学生3人は8月から数週間、食道・胃腸外科の実習を受け、その指導をする教員のサポート役が藤坂容疑者だった。事件があった9月20日の飲み会は、実習の打ち上げだったとみられるという。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161207-00000007

「「何やっても許される」 千葉大生集団乱暴、ゆがんだエリート意識」http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161207-00000072-san-soci&pos=4


この千葉大学医学部、また慶應の広告学研究会など、大学生の集団レイプ事件の背景についての小宮信夫*2小野登志郎氏((の見解;


学生の“暴走”の背景について、立正大学小宮信夫教授(犯罪社会学)は「集団心理や万能感がある」と指摘する。学生の集団心理については「罪悪感が、5人なら5分の1に低下する。『赤信号、みんなで渡れば怖くない』というように気持ちが増長する」と説明。有名大の学生という身分も「特権階級で何をやっても許されるという、誤ったプライドにつながっている」という。

 学生の交友関係が狭まっている近年の傾向にも警鐘を鳴らす。「昔は集団の分母が大きく、メンバー内で多様な価値観があったが、現代では同じ価値観の人間で集まる傾向にある。違法行為があっても、全員が似ている考えなので抑止力が働きにくい」

 一方、スーパーフリー事件を取材したノンフィクションライターで「小野プロダクション」社長の小野登志郎氏は、「過去にもこうした性犯罪はあったが、表に出ていなかった。スーパーフリー事件以降、『合意のない性行為は違法』という認識が社会に広がり、被害者も声を上げやすくなったのではないか」と分析する。

 また、「女性を下に見ている男性が特に集まりやすいイベント系のサークルもある」とし、「先輩から過去の女性に絡む体験などを聞き、女性を見下す意識が増大することも少なくない」と話している。

小野登志郎氏の見解の方が妥当性があると思った。というか、社会学者よりも社会学的。「集団心理」が働くというのはその通りだけど、人間の社会である以上、原始社会だろうが封建社会だろうが、「集団心理」は働くのであって、現代社会の決定的な特徴というわけではないだろう。「有名大の学生」の「エリート意識」だけれど、これは大学進学率が低い低学歴社会だった昔の方が強かったのではないかと思う。また、昔の学生集団は「メンバー内で多様な価値観」があったけれど、現在のそれは同質的というのは、もっとエヴィデンスを集める必要がある。
さて、小野登志郎氏って最近では専らやくざとかそっち方面について書いているようだけど、元々は音楽関係の本を書いていた人だよね。かなり昔のことだけど、『t.A.T.u.の意味 オール・ザ・シングス・シー・セッド』という本を買ったことを思い出した。See also
千葉大生集団乱暴 事件後、普段通り授業出席 「人を救う立場の人がなぜ」」http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161207-00000048-san-l12