30 years has passed

てれびのスキマ*1「事件から30年 「フライデー事件」が問いかけるもの」http://bylines.news.yahoo.co.jp/tvnosukima/20161209-00065267/


1986年12月9日のビートたけしたけし軍団による『FRIDAY』編集部討ち入り事件*2からちょうど30年経ったわけだ。
このテクストは事件とその余波をかなり的確に要約しているといえるだろう。当時の記憶を辿って、ここに書かれていないことを追加すると、当時かなり印象に残ったのは講談社諸媒体の連携ぶりだった。それ以前にも、週刊誌などによって創価学会がバッシングされると、潮出版社の普段はお題目の臭いを全然させないで発行されている雑誌が一斉にバッシングに対する反撃を始めるというようなことはあった。討ち入り事件のときも、『週刊現代』や(一応別会社になっている)『日刊ゲンダイ』が動員されて、ビートたけしへのネガティヴ・キャンペーンを担っていた。遉に『群像』は動員されなかったな。まあ『FRIDAY』編集長が『群像』の編集部員に対して、誰のおかげで『群像』があるのか知ってるのか、『FRIDAY』の稼ぎがなきゃ純文学雑誌なんか出せないんだぞ! とキレるという場面も想像したのだが、『群像』は最初から戦力外だったわけだ。また、余波のひとつとして、右翼団体日本青年社の活躍も書き加えておくべきだろう。
さて、


今年は「文春砲」などが流行語になるなど『週刊文春』を筆頭とする週刊誌の力を見せつけられた年だったが、今から30年くらい前は、写真週刊誌の最盛期だった。

1981年に創刊された『FOCUS』を皮切りに、大手出版各社が相次いで写真週刊誌を創刊。

3FET」(『FRIDAY』『FOCUS』『FLASH』『Emma』『TOUCH』)と呼ばれ、5誌合計で約460万部の発行部数を誇っていた。

『TOUCH』というのは憶えていなかった。小学館が出していたらしいのだが。
『FRIDAY』編集部討ち入りは「写真週刊誌の最盛期」の終わりの始まりを告げる事件でもあった;

(前略)イメージが失墜し、事件前には写真誌5誌で計460万部の発行部数を誇ったが、事件後2ヵ月半で、計370万部、つまり2割近い落ち込みを見せた。

さらに、事件後5ヵ月後には『Emma』が廃刊に追い込まれた。

そして、

事件後たけしは「20年もたったら実にまぬけなお笑いの事件になってるよ。こんなことが何で事件になるんだっていう感じだな」と語っているが、今も、まったく問題は解決されず、それどころか、この事件後は一時的に下火となったスクープ合戦が週刊誌に舞台に変え再び加熱しようとしている。

30年経っても、「フライデー事件」はまだ笑えない事件のままだ。

と結ばれている。
「スクープ合戦」はどんどんやればいいのだけど、問題なのは、当事者が変な正義感に燃えて、社会の〈風紀委員〉のつもりになってしまうことだろう。
ところで、「芸能誌(『アサヒ芸能』『週刊平凡』『週刊明星』)」という表現はちょっと??だ。今の若い人にとっては、「芸能誌」というカテゴリーの存在自体が驚きなのかも知れないけれど。10代の女の子が『週刊平凡』や『週刊明星』を読むことはありえても、『アサヒ芸能』を読むことは(昔も今も)ありえなかった。