兎と人間

朝日新聞』の記事;


紅葉の名所で斜面から切り株落下 転倒した観光客が重傷

2016年11月25日18時43分

 25日午後2時10分ごろ、愛知県豊田市足助(あすけ)町の香嵐渓(こうらんけい)の園内で、斜面から切り株が落下。参道を歩いていた東京都町田市の女性(63)が避けようとして石階段につまずき転倒、顔や胸の骨を折る重傷を負った。

 市足助支所によると、切り株は長さ110センチ、直径55〜60センチ。参道から高さ8メートル上の斜面にあった。数年前に伐採された後、放置されていて、地盤の緩みから落ちてきたらしい。

 女性はツアーに参加して香嵐渓を訪れていた。当時、参道には大勢の観光客が歩いていたという。香嵐渓は紅葉の見頃を迎えており、連日、観光客でにぎわっている。市は事故直後に参道の通行を禁止し、周囲を調べたが、安全だと判断して解除した。
http://www.asahi.com/articles/ASJCT5HBWJCTOBJB00G.html

「待ちぼうけ」をしていたわけではないようだ。「守株」*1の話の場合、兎が勝手に切り株にぶつかったわけだが、今回の場合は、切り株が勝手に人間にぶつかったということか。
まあ、相対的な実在の「紅葉」を見ることは絶対的な不在の「紅葉」を見ることには及ばないということもいえるか。藤原定家のように。「見わたせば花も紅葉もなかりけり浦のとまやの秋の夕ぐれ」(『新古今』)*2
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