少年ナイフ!

朝日新聞』の記事;


暁星高校で3人けが 男子生徒が刃物で切りつけ

2016年10月17日14時18分

 17日正午すぎ、東京都千代田区富士見1丁目の私立暁星中学・高校で、同校の高校1年の男子生徒が、刃物で同じクラスの男子生徒2人と教諭1人を切りつけた。3人は肩や指などに軽いけが。刃物を持っていた生徒は教諭が取り押さえ、警察に引き渡した。

 警視庁や学校によると、自習中の教室内で生徒同士がトラブルになり、1人が刃物を取り出し、他2人と止めに入った教諭を切りつけたという。
http://www.asahi.com/articles/ASJBK4JX9JBKUTIL03G.html


切りつけ容疑の暁星高生「からかわれ、かっとなった」

2016年10月17日19時49分

 17日正午すぎ、東京都千代田区富士見1丁目の私立暁星中学・高校(飯田雅章校長)で、同校の高校1年の男子生徒(16)が、刃物で同じクラスの16歳の男子生徒2人と男性教諭(49)を切りつけた。3人は胸を刺されるなどしたが、いずれも軽傷。刃物を持っていた生徒は、この教諭に現行犯逮捕された。警視庁が傷害容疑で調べており、生徒は「2人にからかわれたので、かっとなってやった」と話しているという。


 麴町署によると、自習だった4時間目に、生徒同士が教室内で口論になり、男子生徒が折りたたみナイフ(刃渡り10センチ)を取り出して2人を刺した。その後、生徒はナイフを振り回し、止めに入った教諭も切りつけられたという。

 学校の説明によると、この生徒の保護者が今年に入り3、4回、「息子が学校内で友人関係について悩んでいる」などと同校に相談していたという。
http://www.asahi.com/articles/ASJBK5G3JJBKUTIL04J.html

「暁星」*1というと、地理的には靖国神社と革命的法政大学の狭間に位置するわけだが、カトリック系で仏蘭西語が必修というイメージが強い。些か黴臭い言葉遣いをすれば、まさに〈はいから〉ということになるだろう。でも、この事件は仏蘭西語とか宗教とかはまあ関係ないだろう。主に関係するのは思春期の野郎の集団だということだろう。そもそも私たちの自我はフラジャイルというか、対他関係や対自関係のバランスが崩れれば、容易に毀損されてしまう可能性がある。〈疾風怒濤〉とも称される思春期なら猶更であろう。そこで要請されるのは、客観的に言えばたんなる気休めということになるかも知れないのだが、何らかのお守りである。この少年の場合、「折りたたみナイフ(刃渡り10センチ)」こそが自我を保護するお守りだったわけだ。というか、あらゆる武器は護符として機能するわけだが(守り刀)。先ず、「ナイフ」を持たなければ自我を維持できないと思い込んだ危機感の深さを考えるべきだろう。彼に問題があったのかどうかはわからないけれど、〈武装解除〉の機会は遂に訪れなかったわけだ。
一つ指摘しておけば、〈中高一貫制〉の問題があるだろう。普通であれば、中学卒業と高校入学を契機として、人間関係をリセットすることができる。しかし、一貫制では刺々しい人間関係もそのまま持ち越され、さらに高校卒業まで共存を余儀なくされる。
See also
進学校で衝撃!暁星 高1生徒が教室でナイフ!3人切り付ける」http://news.livedoor.com/article/detail/12160010/


タイトルは日本が誇るパンク・バンドに因んではいるが、勿論事件とは無関係*2