パラリンピックと戦争(メモ)

向井宏樹「パラリンピック生んだ「悲しい歴史」  選手団に軍経験者がいる理由」http://withnews.jp/article/f0160913001qq000000000000000W04r10101qq000013996A


パラリンピック*1の起源を語っている箇所;


パラリンピックが生まれたのはイギリスです。そして、誕生の背景に戦争の影があります。その起源は第2次世界大戦の負傷兵のリハビリのために開いたスポーツ大会。1948年にロンドン郊外のストーク・マンデビル病院でアーチェリー大会が開かれ、16人の患者が参加しました。

 それから68年。パラリンピックは五輪やサッカーW杯に次ぐ国際大会に成長し、リオ大会には159カ国・地域から約4300人の選手が参加します。ただ、戦争の影響がなくなったわけではありません。

 開会式が開かれているマラカナン競技場に、アメリカの選手団が姿を現しました。アメリカの報道によると270人あまりの選手団のうち、30人ほどの軍経験者がいます。中にはアフガニスタンで爆発に巻き込まれて失明した水泳選手や、イラクで右足を失ったシッティングバレーの選手もいます。いまも戦争がパラリンピアンを生んでいる現実があります。

日本でいうと、第二次世界大戦は一方で多くの「傷痍軍人*2を生み出すとともに、他方では「障害者福祉法」を生み出した*3栗田勇氏は『一遍上人』の中で、中世の合戦について、勝者或いは敗れて死んだ者については語られるが、どちらでもない負傷して障碍者になった者たちは戦さの語りから隠蔽されていると述べていた*4。まあ、考えてみれば、よく〈信玄の隠し湯〉とか、〈隠し湯〉というのは傷痍軍人のための秘密リハビリ・センターだったわけだ。
一遍上人―旅の思索者 (新潮文庫)

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