『毎日新聞』の記事;
1984年までは「ニューナラヤ」と呼ばれていた。千葉土着の百貨店「奈良屋」と三越の合弁による「ニューナラヤ」が開店したのは1972年*1。本来の「奈良屋」は1972年に「セントラル・プラザ」というショッピング・モールになってしまった。これも21世紀に入って直ぐなくなってしまった。つまり、これで「奈良屋」の痕跡である商業施設は消えてしまうことになる。ただ、不動産所有権などの関係もあって、「奈良屋」という会社はまだ存続しているのではないかと思う。千葉土着のデパートというと、ほかに大火災で有名な「田畑百貨店」*2、それから「扇屋」があった。「田畑」はその後「千葉パルコ」となったが、「千葉パルコ」も今年11月の閉店が決定している*3。「扇屋」は私などにとってはデパートというよりはスーパーという印象が強いのだが、ジャスコと合併し、「扇屋ジャスコ」になったが、1999年には「ジャスコ」に吸収され、「扇屋」という名称も商標も消滅ししてしまった*4。千葉市の「扇屋百貨店」も現在はQiball*5という千葉市の施設になっている。ということで、「千葉三越」の終了は千葉土着のデパートの終了ということでもあろう。これが千葉という都市の記憶にとってどういう意味を持つのかはわからない。
<三越伊勢丹HD>三越千葉店を閉鎖 17年3月20日に毎日新聞 9月7日(水)10時21分配信
三越伊勢丹ホールディングス(HD)は7日、三越千葉店(千葉市)を2017年3月20日に閉鎖すると発表した。不振が続く地方・郊外店を閉鎖し、経営資源を東京都心の店舗に集中させる。三越多摩センター店(東京都多摩市)も同日に閉鎖する。
三越千葉店は、1984年に地元百貨店から看板を替えて営業を開始。JR千葉駅近くの好立地を生かし、最盛期の売上高は年間400億円を超えていた。だが、近年は専門店などに客を奪われ、売り上げが減少。16年3月期の売上高は126億円に落ち込んでいることから、店舗の閉鎖に踏み切ることにした。
百貨店業界は今年に入り、消費の低迷で高額品の販売が減少していることに加え、昨年まで売り上げをけん引していた訪日外国人向けの販売も低調で、各社の経営状況は悪化。そごう・西武も地方店の閉鎖を進めており、今後も各社の店舗再編の動きが続く可能性がある。【浜中慎哉】
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160907-00000011-mai-bus_all
「奈良屋」を巡っては、例えば、
串間務「「デパートの屋上」の巻」http://www.maboroshi-ch.com/old/sun/ana_06.htm
「奈良屋百貨店」*6の「屋上」について。また、「ニューナラヤ」が「千葉三越」にすんなりとならなかった事情について。
また、千葉市立図書館の「なつかしのフォトギャラリー 昭和30年代」*7。
*1:See eg. https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A5%88%E8%89%AF%E5%B1%8B_(%E7%99%BE%E8%B2%A8%E5%BA%97)
*2:See eg. https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%94%B0%E7%95%91%E7%99%BE%E8%B2%A8%E5%BA%97%E7%81%AB%E7%81%BD
*3:See http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20150801/1438394795
*4:See eg. https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%89%87%E5%B1%8B_(%E7%99%BE%E8%B2%A8%E5%BA%97)
*5:http://www.qiball.info/ http://www.kodomo-koryukan.jp/ http://www.kosodateshien.or.jp/ http://www.kagakukanq.com/
*6:後の「セントラル・プラザ」。