北と南

朝日新聞』の記事;


ダニ媒介脳炎で死亡、国内で初 北海道の40代男性

2016年8月15日22時42分

 北海道は15日、野外でマダニにかまれた道内の40代男性が「ダニ媒介脳炎」を発症し、死亡したと明らかにした。この病気の国内での確認は1993年に北海道で見つかって以来2例目で、死亡は初めてという。

 厚生労働省によると、ダニ媒介脳炎はフラビウイルスが原因で、このウイルスを持ったマダニがいない地域では感染は起きない。北海道の一部地域でウイルスが見つかっている。人から人に直接感染することはないとされる。潜伏期間は7〜14日で、発熱や筋肉痛などのインフルエンザに似た症状の後、髄膜炎脳炎を起こす。海外では多数の死亡例が報告されている。

 道によると、男性は7月中旬に道内の草やぶでマダニにかまれ、8月13日に死亡したという。道は、草が茂った場所では長袖、長ズボンを着用するよう注意を呼びかけている。
http://www.asahi.com/articles/ASJ8H4GY4J8HULBJ008.html

子どもの頃、「脳炎」には異常なほど恐怖心を抱いていた。別に「脳炎」の人が身近にいたわけではないけれど、「脳炎」という字面がとても怖かった。「脳」が焼かれて人間として終わっちゃうんじゃないかという恐怖。この恐怖は、子どもの頃とは言っても、幼児期ではなく「脳」という漢字を覚えた後だったわけだ。その頃は、「脳炎」といえば「日本脳炎」。この「日本」というのが恐怖を身近なところに引き寄せた。他所の国の話じゃない。「日本」にいる以上、何時・何処でも罹ってしまう可能性はある。さて、「日本脳炎」のウィルスも「ダニ媒介脳炎」のウィルスも近縁関係にあるわけだ。この「ダニ媒介脳炎」の方は北方というか高緯度地方に棲息するのに対して、「日本脳炎」の方は南方というか低緯度地方に棲息する。
See also


高崎智彦「日本脳炎とは」http://www.nih.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/449-je-intro.html
高崎智彦「ダニ媒介性脳炎http://idsc.nih.go.jp/idwr/kansen/k02_g1/k02_04/k02_04.html