QEII at 90

Caroline Davies “The Queen at 90: across the decades” http://www.theguardian.com/uk-news/2016/apr/21/the-queen-at-90-across-the-decades


4月21日、エリザベス2世は90歳になった。この記事は1926年の誕生から現在に至る彼女のショート・バイオグラフィになっている。
エリザベス2世の治世はヴィクトリア女王を抜いて英国史上最長となっているが、世界的にも既に昭和天皇の在位期間を抜いているのでは?



Matthew Weaver “Republicans to call for monarchy referendum when Queen dies” http://www.theguardian.com/uk-news/2016/apr/20/republicans-to-call-for-monarchy-referendum-when-queen-dies


女王が90歳ということは、そう遠くない未来に彼女が他界する可能性が高いということだ。英国にも反君主制(共和主義)運動は存在するが、 共和主義的「圧力団体」Republic*1では以前から近い将来の女王の死に如何に対処すべきかを討論してきた*2。女王の死は共和主義にとってチャンスなのか、それとも危機(脅威)なのか。Republicの最高責任者Graham Smith氏は最近西班牙のマドリッドで開催された「ヨーロッパ共和運動同盟」*3の会合で、女王の死に際して「君主制」の是非を問う国民投う票を行うべきであるという考えを述べた*4
ところで、ブレア政権下で提案されていた王室改革案でも、新王の即位に当たっては国民による信任投票を行うという限りなく大統領制に近い王制というのがあったと思う(cf. 荒井利明『英国王室と英国人』*5)。まあ、日本でも、天皇の代替わりに当たっては国会による新天皇即位承認決議は必須なのではないかとも思う。その日本では、〈反天皇制〉運動はあっても〈共和主義〉運動はないように思う。あくまでも〈反天皇〉でしかなく、天皇なき共和国としての日本を構想・提案するということも行われていない*6

英国王室と英国人 (平凡社新書)

英国王室と英国人 (平凡社新書)

因みに、ヨーロッパの王権でいちばん危ないのは西班牙であるという。西班牙人の45%は共和制を支持している。
それから、エリザベス2世90歳の誕生日に向けてのRepublicの声明;


“Anti-monarchy campaign 'stronger than ever' as Queen turns 90” https://republic.org.uk/what-we-do/news-and-updates/anti-monarchy-campaign-stronger-ever-queen-turns-90