「糖質制限」と「心不全」(週刊新潮)

承前*1

糖質制限ダイエット「第一人者」が突然死 過剰な糖質制限心不全に結びつく可能性とは」http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160225-00506082-shincho-soci http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160225-00506082-shincho-soci&p=2


糖質制限」桐山秀樹氏の「心不全」による急死を巡る『週刊新潮』の記事。


「一般論として言えば、過剰な糖質制限が、心不全に結びつくことは十分に考えられます」

 と述べるのは、新潟大学の岡田正彦・名誉教授(予防医学)である。

「炭水化物を摂らないダイエットは、それ以外ならいくらでも食べても良い、というのが売り。しかし、炭水化物を食べない代わりに、その不足したカロリーを補うため、長期間に亘って肉を多めに摂取したらどうなるでしょうか。タンパク質と共に脂肪も大量に摂取することになりますが、動物性脂肪の中には、パルミチン酸と呼ばれる、飽和脂肪酸が多く含まれています。これが体内に入ると、悪玉コレステロールを増やす働きがあるのです」

 いささか難しい説明であるが、悪玉コレステロールが登場すれば、人体に芳しくない影響が生まれることは想像に難くないだろう。

 岡田名誉教授が続ける。

「悪玉コレステロールは、血液の中に蓄積し、血管の壁を厚くします。これが動脈硬化で、心筋梗塞の要因となる。さらに、コレステロールが血管の壁を守る『内皮細胞』を傷つけると、それを修復するために血栓が出来ることがある。この血栓も、心筋梗塞の要因になるのです」


心不全で亡くなったわけですから、血管に問題があったのは間違いない。その上、過剰な糖質制限を行っていたのですから、両者に関係のある可能性は十分に考えられます」

 そう後を受けるのは、心筋梗塞脳梗塞などの予防に詳しい「真島消化器クリニック」の真島康雄院長である。

「私のクリニックにも、糖質制限ダイエットを行い、重篤な状態になった患者さんが来ることがあります。例えば、ある60代の男性は、徹底した糖質制限を3年2カ月行っていた最中、脳梗塞になった。幸い一命を取りとめ、リハビリを始めたのですが、その後も変わらず、糖質制限を行っていたのです。再発予防として、うちに来たのですが……」

 血管を調べてみると、明日にでも脳梗塞を再発してもおかしくないレベルの“厚さ”であったという。

「話を聞くと、炭水化物を摂取しない代わりに、トンカツなどの揚げ物をたくさん食べ、酒も毎日のように呑んでいたのです。これでは血管に『プラーク』、すなわち劣化した油がたまり、血管の内壁が厚くなっていってしまう。糖質制限ダイエットの落とし穴は、炭水化物を食べない代わりに、不足分を補うため、他は多めに摂取してよいと誤解してしまうところ。別の60代の男性患者も、“ご飯を食べない”ことを徹底していましたが、やはり肉類の摂取が多く、いつ脳梗塞を起こしてもおかしくない状態でした」(同)

まあ「トンカツなどの揚げ物」は小麦粉やパン粉といった「糖質」を含んでいますけど。
さて、上で言及されていた「コレステロール*2コレステロールが固まると胆石になるのだが、オリーヴ・オイルなどを使って胆石を一気に排泄することを謳った「肝臓洗浄」という「療法」があるのだが、それは「インチキ」であるという記事;


NATROM*3「肝臓洗浄(レバーフラッシュ/肝臓デトックス)は本当か?」http://d.hatena.ne.jp/NATROM/20160224#p1


〈閲覧注意〉のタグをつけておくべきだとは思うけど。まあ、そんなに簡単に胆石が取れるなら、手間と暇とリスクをかけて手術を行う医者も患者もいなくなる筈だということはできる。