生きていた板垣

朝日新聞』の記事;

「百円札」札束で治療費支払う 発行なくても今でも有効

岩田誠司

2015年11月28日21時05分

 福岡市のカイロプラクティック院で、治療に訪れた60代の女性が「百円札」の札束で治療費を支払った。現在は発行されていないが、今でも有効だ。

 百円札には、明治の元勲で自由民権運動を全国に広めた板垣退助*1が描かれている。1970年代まで流通していたが、今はほとんど見かけない。

 体のゆがみを治す職業柄、来院者にはいつも折り目やしわのない新札でお釣りを渡す松尾優次郎院長(25)も「この日ばかりは僕の背筋が伸びました」。(岩田誠司)
http://www.asahi.com/articles/ASHCX61K3HCXTIPE01T.html

自由死すとも板垣しせずという言葉があったけれど。
Wikipediaによれば、この100円札は1953年に発行が開始され、1974年に日銀からの支払いが停止されている。何時ごろ発行(印刷)が停止されたのかはわからないが、1966年8月に100円札廃止が閣議決定されているというので、多分その頃なのだろう*2。朧げな記憶によれば、初めて貰ったお年玉は「板垣退助」だったように思うのだが、その頃既に100円というのは日常的にはコインであり、「板垣退助」は1か月に1度見るか見ないかという感じだった。そして、最後に「板垣退助」を見た頃(1980年代初め)には古銭としてのプレミアがけっこう付いていた。今はどのくらいになっているのだろうか。
板垣退助」が「今でも有効」なのは新円だからだけど、1円札はどういうわけか、過去に日本銀行によって発行された全ての札が、金本位制の廃止や新円切り替えを乗り越えて、今でも「有効」であるという*3。ということは、金本位制時代の明治18年に発行された最初の1円札を日銀に持っていけば、それ相当のゴールドと交換してくれるの? 
因みに、郵便切手の場合、軍国主義的であるとして使用が禁止されたデザインのもの以外は、旧円のものであっても、有効でありつづけている。
岩倉具視*4が消えて、既に30年経つのか。