無月経のメカニズムなど

榊原一生「若い選手の無月経に危機感を 疲労骨折で競技断念の恐れ」http://www.asahi.com/articles/ASHCL4QK3HCLUTQP00W.html


曰く、


東京都文京区にある順大付属の順天堂医院「女性アスリート外来」を今春、大学陸上部に所属する中長距離の女子学生(18)が訪れた。2度の疲労骨折を経験し、心配した大学の女性コーチに促されて訪れた。

 診察した産婦人科の北出真理医師によると、学生は体重増加を恐れて炭水化物の摂取量を減らし、栄養の偏った食事になっていた。栄養指導をして症状は改善したという。

 女性アスリート外来は昨年10月、同医院と千葉県浦安市にある付属病院内に女子選手専門の窓口として開設した。この1年で約150人が受診し、その約8割が無月経か生理不順の症状を抱えていた。


無月経は「3カ月以上」生理がない状態をいい、摂取エネルギーよりも消費エネルギーが上回る「エネルギー不足」が主な要因で発症する。無月経が続けば、骨を強くする女性ホルモン「エストロゲン」の分泌が低下。骨がもろくなり、疲労骨折しやすい体になる。

 北出さんは「無月経疲労骨折に加え、卵巣機能が低下するなど不妊のリスクも高まる」と警告する。


日本産科婦人科学会国立スポーツ科学センター(JISS)が女子の大学生ら2153人に対して実施した調査では、調査時に無月経だったのは、運動していない一般の学生が2・4%だったのに対し、全国大会レベルの学生は7・6%。さらに疲労骨折を経験した割合でも、運動している学生は、していない学生に比べて約5倍と高く、うち4割は16歳か17歳で発症した。調査した同学会の久保田俊郎医師は「成長期の10代の選手は特に注意しなければならない」と話す。

 ただ、無月経はこれまで、「深刻な問題としてとらえられていなかった」と元五輪マラソン選手でスポーツジャーナリストの増田明美さんは指摘する。

 指導者には男性が多く、「厳しい練習で生理が止まってこそ一人前」という誤った認識での指導があったほか、女子選手自身にも知識がなく、生理の不快感や腹痛、大会に体調を合わせる煩わしさから「生理がない方がいい」と思う選手も多いという。

ところで、増田明美さんによれば、「生理が止まってこそ一人前」どころか「月経がある」=「練習が足りない」という空気があったという*1

*1:武田砂鉄「女性アスリートに「処女性」を望む気配」http://bylines.news.yahoo.co.jp/takedasatetsu/20130715-00026452/(Mentioned in http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20130719/1374200866