「同級生」の変容?

週刊ポスト』の記事;


「同級生婚」急増 SNSの普及と「同窓会ブーム」が後押し
NEWS ポストセブン 6月28日(日)7時6分配信


 今“同級生婚”が急増している。サッカー日本代表内田篤人選手が同級生と結婚し、多くの女性に衝撃を与えたばかりだが、イングランドアーセナルからドイツのザンクトパウリに移籍したサッカーの宮市亮選手も、高校の同級生との結婚を発表した。今年2月には、俳優の徳重聡が高校時代から20年の交際を経て結婚。鈴木奈々も昨年、中学校の同級生と結婚した。挙げればきりがないが、同級生婚している有名人は意外と多い。

 なぜ今、同級生婚がブームなのか。恋愛・結婚・性に関する分野を得意とする、東邦大学医学部客員講師でカップコンサルタントの西郷理恵子さんは、「気心が知れているところや安心感などによって接近しやすいのでは」と語る。

「恋愛の場合は、ときめきや新鮮な刺激が重要となることが多いですが、長い時間の生活を共にする結婚となると、信頼関係や安心感がより重要ですよね。特に有名人などは、下心や金銭目的など打算で近寄られることもあるでしょうから、警戒心が強くなる面もあると思います。その点、同級生なら小学生や中学生の頃の等身大の姿を知っていますし、お互いの人間関係もわかりやすく、安心感があるのではないでしょうか。

 今、出会い方はさまざまに増えましたが、婚姻数は変わらず横ばいです。合コンや相席居酒屋など気軽に出会う婚活の場は増えても、結婚に繋がる出会いにはなりにくい。出会った相手の人間性を見極めたり、素の自分を出すって簡単ではないですよね。その点、気心の知れた人にはカッコつける必要がないですし、久々に会ってもすぐに落ち着くと感じて接近しやすいのでは。お互いが着飾らないところからのスタートなら、価値観のすり合わせだけで済みます。また、大人になって成長した相手に子供の時に見られなかった魅力を感じたり、再評価したりすることも少なくないと思います。相手を信頼するまでの時間や距離を縮めるのも早くなるのではないでしょうか」(西郷さん、以下「」内同)


 アンケート調査で、男女共に「結婚相手に求める条件」の上位に必ず入る「安心感」。DVや今なにかと問題になっているモラハラ、浪費癖など、結婚後に問題が発覚することも多いだけに、同級生なら長い時間を共にする間に本質的な性格も分かり、共通の友人や知人を通じた人物評や接し方など、トータルで判断することができる。

 同級生婚が増加した背景として、まず「再会できるツールが増えたことが大きい」と西郷さん。コミュニティが作れるmixiに始まり、共通の友達や出身学校から『知り合いかも』と表示させるFacebookでさらに繋がりやすくなった。同窓会後も、SNSによって連絡が取りやすくなった。SNSの普及、それによる同窓会ブームが同級生との恋愛を後押ししているようだ。男性側が、昔好きだった女性をSNSで探し当てて連絡し、結婚した例もある。

「同級生というだけで気負わず再会できるところはあると思います。共通の話題もあるし、食事に行きましょうと誘いやすい。たとえ忙しくて新たに出会う機会が少ない人でも、旧知の相手なら都合さえ合えば会いやすいし抵抗がないですよね」

 また、他の要因としては、同い年であることへの親近感や価値観が合いやすいことのほかに、対等でありたいという意識の広がりも挙げている。

「同い年だと、男女どちらかが年上の立場であるよりも率直に言い合えて、“男だからリードして”ということもなく、決めるのもふたりでと対等になりやすいところがあります。今、自立してる女性は多いですし、女性も同い年という前提で、依存しようとは発想しづらいですよね。お互いに重苦しい依存がないところが楽なのではないでしょうか」

 今、恋人がいる人の割合はどんどん減っており、20代男性でいない人は6〜7割近くにもなるという。今の若者は、出会いや恋愛にガツガツしない保守的な風潮があり、新しい出会いにも積極的ではないため、過去の縁をもとにした交際に発展しがちなのでは、と西郷さんは語る。それに加え、男性の男女平等意識が高まった影響もあるのでは?と分析する。

「若い男性が草食男子と言われるようになったのは、男性側の男女平等意識が育ったからだと私は考えています。“男女お互いに協力を”との考えで、共働きや育メンという意識も広がってきました。統計では“割り勘の方がいい”という男女と、“男性の方が多く払ってほしい・払いたい”という男女が半々という過渡期の状況。デートで奢ってほしいという女性や依存心の強い女性を男性が敬遠する傾向にあります。基本的に対等な『同い年恋愛』は、男女平等意識を持った男性が恋愛しやすい形なのかもしれないですね」

 幼なじみや同級生との恋愛は、共通の知人が多いため遊びの対象になりにくく、わりと短期間で結婚に至りやすいメリットも。むだな恋愛になりにくいところも、もしかしたら今どきの恋愛の特徴なのかもしれない。

 以前、米エモリー大学が3000組のカップルを対象にした調査で、一番離婚率の低いカップルの年齢差は0才の同い年カップルで、年齢差が大きくなるにつれ離婚率は大きく上昇すると発表した。6月8日に結婚25年目のハワイ挙式をした薬丸裕英石川秀美も同級生夫婦。高校の同級生と10年越しの恋を実らせ、今なお仲良しという藤井フミヤは6月29日で結婚25周年を迎える。おしどり夫婦といわれる結婚9年目の井ノ原快彦と瀬戸朝香も同い年夫婦だ。
(後略)
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150628-00000005-pseven-soci

実際に「同級生婚」が増えている、或いはカップルの年齢差が縮まっているという具体的なデータはあるのだろうか。そういえば、少し前に「初恋」の成就率って意外と高いのだなと思ったことがあったのだ*1
実際に「同級生婚」が増えているかどうかは別として、SNSの発展によって「同級生」の存在が日常化したというのは肯ける。黒木瞳が主演した『同窓会〜ラブ・アゲイン症候群』*2を初めとして、メロドラマとかAVとかで「同級生」とか「同窓会」が関連するのは、結婚に繋がるような恋愛ではなく、不倫(反結婚)であったり一夜限りの情事だったりすることが多い。それは「同窓会」というのが非日常的な出来事であり、「同級生」というのが今では既に滅多に会わない(会えない)疎遠な存在であるということを前提としている。それが、SNSによって、「同級生」はいつでも連絡の取れる存在へと変容した。そのような「同級生」の集まりである「同窓会」ももっとカジュアルなものになる。ただ、インターネットによる「同級生」の日常化というのはどのくらいの年齢層までなのかという疑問はある。
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ところで、「 幼なじみや同級生との恋愛は、共通の知人が多いため遊びの対象になりにくく、わりと短期間で結婚に至りやすいメリットも」というけれど、記事の中に例として挙げられている藤井フミヤは「高校の同級生と10年越しの恋を実らせ」たわけだし、徳重聡は「高校時代から20年の交際を経て結婚」したわけだ。これは決して「短期間」ではない。