「キリスト教系の宗教団体幹部」

承前*1

『朝日』の記事;


寺社に油事件、宗教団体幹部に逮捕状 「お清め」と証言

2015年6月1日03時00分

 奈良や京都、千葉の寺社などに油のような液体がまかれた事件に絡み、米国在住で東京都内に拠点があるキリスト教系の宗教団体幹部(52)が各地で油をまいたことを認める発言をしていたことが関係者への取材でわかった。千葉県警は、この幹部が県内で油をかけた疑いが強まったとして、建造物損壊容疑で逮捕状を取った。奈良県警京都府警も幹部が一連の事件に関与したとみて慎重に調べる方針。

 捜査関係者によると、この男性幹部は3月下旬、千葉県香取市香取神宮の建造物に液体をかけた疑いが持たれている。防犯カメラに液体を投げつける姿が映っていたという。

 関係者によると、この男性幹部は東京都出身で2013年に教団を設立。遅くとも同年夏ごろから中国地方の城や神社、九州地方の神社で「お清め」と称して油をまいたことを信者向けの集会で証言。「日本の寺社を油で清め、日本人の心を古い慣習から解放する」などと語ったという。この教団には東京と大阪を中心に100人以上の信者がいるとされる。
http://www.asahi.com/articles/ASH6105W4H50PTIL01D.html

この後に400字分の文章が続いている筈なのだが、どんなことが書かれているのやら。今のところ、この件は朝日の独占状態のようだ。
「東京都内に拠点があるキリスト教系の宗教団体」がどういう団体なのかはわからない。原理主義福音派)系だったらこういうことはやりかねないとは思うけど、「古い慣習から解放する」という妙に啓蒙主義色のついた言葉遣いは基督教原理主義に似つかわしくないのでは? 原理主義者だったら、そんなもったいぶった言い方ではなくて、端的に偶像崇拝とか多神教という言葉を使うのでは? また、Wikipediaの「寺社連続油被害事件」というエントリーによると、「油被害」が最初に発覚したのは今年の4月4日(奈良県長谷寺と岡寺)であり、大まかに言って2015年4月に世間を騒がせた事件と言える*2。2013年に「中国地方の城や神社、九州地方の神社」で油をかけられたという報告がないのは如何なることかという疑問も湧いた。

*1:http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20150415/1429078779

*2:5月に入っても被害が報告されているが、被害に遭ったのは相対的に無名の社寺が多く、メディア報道に刺戟を受けた模倣犯である匂いが濃厚。