兎鳥

『オヴニー(Ovni)』という在仏日本人向けのフリー・ペーパーの2015年5月1日号に「ウサギのクリック煮込み」という白耳義料理(「ブリュッセルの名物料理」)が紹介されている。「クリック」とは自然発酵の麦酒である「ランビック*1に桜桃風味を加えたもの*2。そこで、「ウサギは、元々は鳥肉屋で売られていたが、最近では肉屋でも見かける」と書かれている。日本でも、兎は四つ足の動物ではなく鳥と見做されている。兎を数える単位は他の四つ足たちのように匹ではなく、鳥と同じ羽である。それは獣の肉を食うことが禁忌とされる中で例外を作り出すためだった*3。基督教文化圏の白耳義や仏蘭西は仏教的な肉食禁忌とは関係ない。でも、兎には鳥の仲間に括ってしまいたくなるような何かしらの特性があるということなのだろう。

*1:Mentioned in http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20081027/1225126619

*2:普通は、Kriek Lambicと謂う筈。

*3:See eg. 「ウサギを数える単位はなぜ「羽」なのか?」http://ameblo.jp/zatsu-gaku/entry-10915658641.html 「うさぎの数え方の由来!なぜ一羽、二羽と数えるの?」http://なぜなぜ図書館.com/kyoyo/46/