『新潟日報』の記事;
『朝日』の記事;
最終更新:2015年02月03日(火) 21:03
「それでも中東へ。伝えるために」
中東の過激派「イスラム国」による邦人人質事件を受け、新潟市中央区在住のフリーカメラマン杉本祐一さん(58)は3日、「何が起きているのかを伝えるためにも、ジャーナリストやカメラマンは現地に行く必要がある」と語った。杉本さんは27日、取材のため日本を出発し、シリアなどで取材する。
新潟日報: 2015年02月03日(火) 20:27
http://www.ohbsn.com/news/detail/kennai20150203_4688685.php
シリアに渡ろうとして、パスポートを召し上げられたのは、昨年の北海道大学生以来*1。その時は、「私戦予備および陰謀の疑い」で、外務省ではなく警視庁公安部に押収されたわけだけれど。これは、高村正彦謂うところの「蛮勇」狩りの一環なのだろうか*2。自己責任かどうかというよりも、その手前で封じ込められてしまったわけだ。「旅券の名義人の生命、身体又は財産の保護のために」というパターナリズム的な理由なのだけれど*3、法律、特に憲法学の専門家はどんなご意見なのだろうか。
シリア渡航を計画、カメラマンに旅券返納命令 外務省2015年2月8日00時11分
外務省は7日、シリア渡航を計画していた男性に対し旅券法に基づいて返納を命じ、男性から旅券を受領したと発表した。返納を命じた理由について、同省は「隣接国を経由してシリアに渡航する旨を表明しており、警察庁とともに渡航の自粛を強く説得したが、意思を変えなかった」などと説明している。
同省が名義人の生命保護を理由に旅券の返納命令を出すのは初めて。旅券法19条は、「旅券の名義人の生命、身体又は財産の保護のために渡航を中止させる必要があると認められる場合」は、外相などが名義人に旅券の返納を命令できると規定。同省は同法に基づいて「緊急に旅券を返納させる必要があると判断」したとしている。
旅券返納を命じられたのは、フリーカメラマンの杉本祐一さん(58)=新潟市中央区。
杉本さんによると、今月27日から取材などのためにシリアへの入国を予定していた。外務省は杉本さんに対し、返納を命じた理由について、シリアへの入国を計画している▽シリアでは日本人2人が拘束、殺害されたとみられ、過激派組織「イスラム国」は日本人に更なる危害を加えると宣言している――などと説明したという。同省職員が7日、杉本さんの自宅を訪れ、直接旅券を受け取ったという。
杉本さんは同日、朝日新聞の取材に返納の事実関係を認め、「今夜、外務省旅券課の職員が来て、パスポートを持って行かれた。(憲法が保障する)渡航と報道の自由はどうなるのか。突然のことで困惑している」と話した。
http://www.asahi.com/articles/ASH277KX4H27UTFK00G.html
See also
tw3ds*4「シリア渡航計画:杉本祐一さんにパスポート返納命令 外務省」http://matome.naver.jp/odai/2142332042720527601
aqz「【後藤 健二 につづくもの】シリアへ渡航計画をしていた人がいた!(フリーカメラマン:杉本祐一)」http://matome.naver.jp/odai/2142336427347985701
*1:See http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20141006/1412610658 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20141008/1412744846
*2:See http://mainichi.jp/select/news/20150205k0000m010073000c.html http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20150207/1423277144
*3:ここで「派棚-リズムパターナリズム」という言葉は価値中立的に使ったつもりである。「パターナリズム」はhttp://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20060605/1149478230 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20110818/1313646375 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20131116/1384584256 に登場している。
*4:See also http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20150129/1422528224