殺人者捕まらず

承前*1

Kim Willsher Jon Henley and Alexandra Topping “Charlie Hebdo attack: several arrested but hunt for suspects continues “ http://www.theguardian.com/world/2015/jan/08/charlie-hebdo-french-police-name-suspects-as-massive-manhunt-continues


週刊新聞Charlie Hedo編集部へのテロ事件、仏蘭西の警察当局は何人かを逮捕したものの、それは周辺的人物であり、実際に銃をぶっ放した2人の実行犯はいまだ逃走中であるようだ。また、白耳義国境近くで、「容疑者」とされる18歳の少年が警察に自首したらしいが、彼の友人たちは彼のアリバイを証言しており、事件への(少なくとも直接的な)関与は疑わしい。逃走中の実行犯に戻ると、彼らは実の兄弟で、身元が割れてしまったのは、逃走に使った車に身分証明書を忘れたためだという。そのうち1人は2008年にテロに関係した廉で逮捕・服役歴あり。


Witnesses described hearing the attackers shout “Allahu akbar” as well as “we have avenged the Prophet”. Two eyewitnesses said they claimed to be from al-Qaida. One of them specified al-Qaida in Yemen, a group also known as al-Qaida in the Arabian Peninsula.
犯行に際して、「イエメンのアルカイダ」の者だと名乗ったという。


Anne Penketh “Charlie Hebdo attack: the 12 victims of the terror attack” http://www.theguardian.com/world/2015/jan/07/cartoonists-victims-charlie-hebdo-attack


12名の犠牲者。偶々パトロール中に巻き込まれ・殺された警官の1人はチュニジア生まれのムスリムだった。また、ビル管理会社の労働者で偶々エントランス・ホールで仕事をしていたために流れ弾に当たった人もいる。

さて、早くもユダヤイスラエル陰謀理論が(露西亜発・イラン経由で)登場しているようだ*2。これに限らず、例えばノーベル平和賞を受賞したMalala Yousafzaiさん*3の背後に「イスラエル」の存在があるというような妄想を抱く連中*4とかが何を言い出すかわかったものじゃない。予防線を張っておくと、このテロ事件の歴史的・文化的位置づけというのは、以下のようなことになるだう――”The attack was the bloody culmination of a long-simmering struggle between France’s libertarian traditions of free speech and an increasingly extreme strand of Islamist thought.”*5。また、ユダヤの陰謀があとか叫ぶ人は、同時に反グローバリズムだの反新自由主義だのとかを標榜している人も多いだろう。今回、兇弾に倒れたひとりであるBernard Maris氏*6Charlie Hedoのパートナー(株主)であるとともに経済学教授であって、世界中の新自由主義者から眼の敵にされているATTAC*7の科学顧問を務めていたこともあったのだ。