「草食化」の理由(by Willy)

Willy*1「若者が草食化した本当の理由」http://blogos.com/article/96412/


ここでいう「草食化」とは恋愛に消極的になるというくらいの意味合いだろう*2。Willy氏は、それは端的に大学生が経済的に貧しくなったからだという。最近20年の間に、「大学生が受け取る仕送り額から家賃を引いた、いわば「可処分所得」」は「7万3800円から2万7700円となんと6割以上も下がってしまった」*3。また、大学側が授業の出欠チェックを強化したり課題レポートを増やしたりしているので、勉強時間が増え、〈可処分時間〉が減る*4。また、「娯楽」費用も上がっている。
タイトルと本文の間に齟齬がある。タイトルでは「若者」の「草食化」なのに、本文で語られているのは「大学生」が「草食化した」「理由」である。勿論、「若者」と「大学生」は同じではないし、世間で「草食男子」云々という場合、青年労働者を含めた「若者」一般が恋愛に消極的になっていることが問題とされている。ここで論じられたことでは 「若者」一般の「草食化」は説明できない。大学時代の強いられた禁欲生活の反動から、就職した途端に「肉食」化するという理屈だって捏ねられるわけだけど、実際はそうなってはない。とすると、窮乏化以外のファクターを探さなければならない(勿論、窮乏化というファクターが否定されるわけではないけれど)。
ディズニーランドの入場料が上がったということが言及されているのだが、デート・スポットが昔のままである必要はないだろう。貧しくなれば、デートだって、よりお金がかからないような仕方にシフトしていくのでは? また、娯楽がないから却って積極的にセックスするということも考えられるのではないか。
まあ、「大学生」というのは「野菜」を食べない〈草食動物〉ではある*5
なお、「草食」だが、恋愛や性愛に積極的でないだけでなく「情報」収集にも積極的でないという意味合いにも拡張されている;


永江一石*6「いまの大学生はどんどんレイトマジョリティになっているという話」http://blogos.com/article/91814/