「残念」

承前*1

どうも日本での報道はパトリック・モンディアーノがノーベル文学賞を獲ったということよりも、村上春樹が賞を逃したということに焦点が当たっているようだ*2
例えば、


ノーベル文学賞は仏作家のモディアノ氏に…村上春樹氏は受賞逃す

リセマム 10月9日(木)20時32分配信


 スウェーデンアカデミーは10月9日、ノーベル文学賞ストックホルムで発表。数年前よりノーベル文学賞の有力候補とされてきた村上春樹氏の受賞に期待が集まったが、フランス人作家のパトリック・モディアノ氏が受賞した。

 発表前の英ブックメーカー「ラドブロウクス」の予想では、1位は3.5倍のケニアの作家グギ・ワ・ジオンゴ氏、村上春樹氏が4.5倍で2番目の人気となっていた。なお受賞者のモディアノ氏は、10倍で4番人気とされていた。

 10月10日は、ノーベル平和賞の発表が予定されており、日本国憲法9条がノミネートされているという。

《リセマム 湯浅大資》
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141009-00000013-resemom-life

また、『デイリースポーツ』の記事;

村上春樹受賞逃す 神戸のハルキスト残念

デイリースポーツ 10月9日(木)21時40分配信


 2014年のノーベル文学賞が9日、フランスの作家パトリック・モディアノ氏に決まり、今年こその期待が膨らんでいた村上春樹氏(65)の受賞はまたもならなかった。村上氏が兵庫県芦屋市に住んでいた時に通い、エッセーでも言及した神戸市中央区のイタリア料理店「ピノッキオ」には“ハルキスト”約10人が集まって吉報を待ちわびたが思いは届かなかった。

 村上氏がノーベル賞の候補に取りざたされるようになったのは06年にチェコ文学賞フランツ・カフカ賞を受賞してからとされる。以後、候補の1人として注目され、今年も英国などの複数の大手ブックメーカー(賭け屋)による予想で村上氏が1番人気となっていた。それだけに同店オーナーの山中崇裕氏は今年こその受賞を信じたが「残念です。しかし、また来年もあります。シャンパンを飲みましょう!」と無念そうに述べ、来店者に“涙のシャンパン”を振る舞った。

 村上氏は神戸市内の高校に通学していた10代のころから同店を訪れるようになった。1995年に発生した阪神・淡路大震災発生後の同年9月には神戸まで足を運んで同店が健在であることを確認したという。

 97年には兵庫県西宮市から神戸市まで約20キロを徒歩で移動し、同店を訪問。シーフード・ピザを食べて生ビールを飲んだことをエッセー「辺境・近境」に記した。その後、村上氏のまねをして1人で来店してピザとビールを注文する男性客が増えたという。

 同店は創業以来、ピザに通し番号を付けて客に提供。村上氏が97年に食べたピザの番号が「958816」だったことをエッセーに記していることから、その番号を再現したセットメニューをこの日のために用意した。価格は長編小説「1Q84」にちなみ1984円で提供することも決まっていたが、昨年に続き日の目を見ることはなかった。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141009-00000076-dal-ent

辺境・近境 (新潮文庫)

辺境・近境 (新潮文庫)

また、『神戸新聞』の記事;

神戸高同窓生ら「来年こそ」 村上春樹さん受賞逃す

神戸新聞NEXT 10月9日(木)22時17分配信



 9日夜に発表されたノーベル文学賞で、有力候補とみられた神戸・阪神間ゆかりの作家村上春樹さん(65)には今年も「吉報」は届かず、母校などに集まった同級生らは来年に期待を寄せた。


 村上さんが通った兵庫県立神戸高校(神戸市灘区)では、同窓生らが校長室で待機。集まるのは今年で10回目といい、「節目だったので期待したが…」と同窓会事務局長の関一雄さん(75)。

 同校では新聞委員会の委員長として活躍した村上さん。一緒に活動した同級生の矢野日出子さん(65)は「受賞にはまだ若いのかな。これからも素晴らしい作品を書いてほしい」とエールを送った。

 発表の瞬間を見守った同校放送委員会の杉森加奈さん(17)は「これだけ注目されているので、いつかは取ってくれると信じています」と話した。

 村上さんの作品に登場する神戸・三宮のイタリア料理店「ピノッキオ」には熱心なファンが集まった。昨年もノーベル文学賞の発表日に訪れたという大阪府吹田市の会社員(55)は「村上さんの作品は、その時々の自分の気持ちを代弁してくれ、時代を超えた感覚がある。来年は絶対に受賞するはず」と力を込めた。

(武藤邦生、金川 篤、斉藤正志)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141009-00000009-kobenext-soci

独逸Die Welt紙の文学賞受賞に関するNHKの報道;

村上春樹さん 独有力紙の文学賞に選出
10月4日 23時50分


ドイツの有力紙の文学賞に日本人として初めて作家の村上春樹さんが選出され、多くのファンのいるドイツではことしのノーベル文学賞の有力候補の1人に挙げられている村上さんの作品に改めて注目が集まっています。

ドイツの有力紙、ウェルトは3日、毎年、世界の有力な作家に贈っている「ウェルト文学賞」に、作家の村上春樹さんを選出したと発表しました。
ウェルトは、選出理由について「日本における最も優れた現代作家であり、欧米の伝統的な小説の手法と、現代の大衆文化やファンタジーなどの要素を結びつけることに成功した」と説明しています。
さらに、1990年代の作品「ねじまき鳥クロニクル」などを挙げて、「日本の大都市に住む人々の精神状態を独特の手法で描いている」と評しています。
1999年に創設されたこの文学賞は、ハンガリーのイムレ・ケルテース氏をノーベル文学賞の受賞の2年前の2000年に選出するなど、これまで15人を選んでいますが、日本人が選ばれるのは今回が初めてです。
授賞式は来月7日、ベルリンで行われ、村上さんには賞金1万ユーロ、日本円でおよそ140万円が贈られることになっています。
村上さんの作品はヨーロッパでも数多くのファンがいて、ドイツでは、ことしのノーベル文学賞の有力候補の1人にも挙げられる村上さんの作品に改めて注目が集まっています。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20141004/k10015126371000.html

Die Weltのオリジナル記事としては、


“"Welt"-Literaturpreis für Haruki Murakami” http://www.welt.de/print/die_welt/article132904079/Welt-Literaturpreis-fuer-Haruki-Murakami.html
Richard Kämmerlings “Haruki Murakami erhält "Welt"-Literaturpreis 2014” http://www.welt.de/kultur/literarischewelt/article132887543/Haruki-Murakami-erhaelt-Welt-Literaturpreis-2014.html