英語の歌なの?

オリコンNewS「ZARD名曲「負けないで」が英語教科書に」http://www.huffingtonpost.jp/2014/02/05/zard-english_n_4733730.html


曰く、


ZARDの1993年の名曲「負けないで」が、今年4月から高校英語の教科書『MY WAY English Communication II』(三省堂発行)に採用されることがわかった。同曲の作詞を手がけ、2007年5月に他界したボーカル・坂井泉水さん(享年40)の誕生日にあたる2月6日に発表された。同書は現時点で、全国約400の高校で採用されることが決まっている。

教科書の中では「An Encouraging Song(元気がでる歌)」として、「負けないで」を紹介。95年の阪神淡路大震災や11年の東日本大震災の際に多くの人々を励ましたこと、94年には選抜高等学校野球大会の入場行進曲に採用されたこと、坂井さんが言葉にこだわり、制作に全精力を注いだことなどが何度も書き直された直筆の歌詞とともに伝えられている。

発行元の三省堂は採用理由について「約20年間色あせることなく、今もって若者の間で、“人生の伴走歌”として歌い継がれてきています」と説明。「その秘密は何かと言いますと、坂井泉水さんが何度も何度も繰り返し繰り返し練り直して完成させた歌の歌詞にあります」「“ことば”そのものが持っている大きな計り知れない『魔法の力』に気づいてもらい、この多感で悩み多い高校時代を強く乗り切っていってもらいたい」との思いを込めたという。

まず引っかかったのは、「負けないで」って日本語の歌であって、英語の歌じゃないだろうということ。英語の教科書なら英語の歌詞を採り上げろよ。
音楽に関しては最近事件もあったわけだが、音楽(或いは詞)それ自体ではなくそれをネタとした物語によって感傷(sentimentality)の準位での〈感動〉を煽るということに無批判的だという批判も可能だろう。30年以上も前に、渋谷陽一*1が(ZEP以外の)ハード・ロックを感覚を抑圧して感傷を煽っていると批判していたが、この渋谷的思考は現在さらに重要性を有しているといえるだろう。
ところで、最近ローリング・ストーンズの”She's a Rainbow”を久々に聴いたのだが、ジョン=ポール・ジョーンズがアレンジしたストリングスは身震いする程美しかった。但し、それが感傷の準位においてなのか感覚の準位においてなのかは知らぬ。
Very Best Of The Rolling Stones 1964-1971

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