Marcos Rodriguez Pantoja

Laura Plitt “Marcos Rodriguez Pantoja: Did this man live with wolves?” http://www.bbc.co.uk/news/magazine-25102983


西班牙人Marcos Rodriguez Pantojaは子どもの頃、親によってSierra Morena山脈*1の山羊飼いに売られたが、直ぐに山羊飼いは死んでしまった。それ以降、10年以上山中で(人間とは交わらず)狼や蛇といった動物たちと一緒に生活し、19歳のときに人間社会に復帰した。彼が山中に入ったのは人間としての言語能力や自己が形成された後の6歳か7歳かだったので、所謂〈野生児〉とは違う。また、山羊飼いの老人には罠を作り兎や山鶉を狩る仕方を教わっていた。
Marcos Rodriguez Pantojaの名前が世に広まったのには、Gabriel Janer Manilaという人類学者*2の貢献が大きい。彼は小説家としても有名であるらしいが、Marcos Rodriguez Pantojaをテーマにした博士論文を書き、彼の記録映画を撮り、また彼をモデルにした小説を書いた。
Marcosにとって、人間社会への復帰はトラウマに充ちたものだった。また70に近い現在でも社会に完全には適応していない。にも拘わらず、上の記事では、何故山を下りようと決意したのかということの言及がない。

ところで、日本でも(成人してからだが)数十年間山中で人と交わらずに生きた人の話を、数年前に何処かのワイドショーかなんかでやっていたような気がする。