From Murakami to Hipgnosis?


「ファンタジー」というと、どうも別世界に飛んでしまうというイメージがある。でも、村上春樹の小説には地下世界だの異次元世界だのといった別世界は出てこない。というか、村上的世界というのは、日常世界が日常世界のままでちょっと変、という感じなんじゃないか。「シュルレアリスム」という方が適切だろうか。シュルレアリスムといっても色々とある。ルネ・マグリット
http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20131104/1383576235
と書いた*1。「日常世界が日常世界のままでちょっと変」ということで、1970年代にロックのレコードのグラフィック・デザインを席巻したヒプノシス*2も思い出した。ヒプノシスは1968年から1982年までに200点近いアルバムのデザインを行っているので一概にその世界観を言うことはできないのだが*3、普通の光景に微細だけど決定的な変更が加えられているというのが多かったような気がする。例えば、ゼップのPresence。日常生活の様々な場面。何の変哲もない、黒いオブジェが画面に居座っていることを除いては。YESのアルバムのデザインを行っていたロジャー・ディーン*4の「別世界」感溢れる「ファンタジー」的なイラストレーション(例えばYessongsとかTales from Topographic Oceansとか)とは或る意味で対極にあった。勿論、どちらが好きでどちらが嫌いというわけではないのだけれど。
プレゼンス

プレゼンス

Yessongs

Yessongs

海洋地形学の物語

海洋地形学の物語

ヒプノシスを巡っては、


HIPGNOSIS - Storm Thorgerson and beyond
http://www.hipgnosiscovers.com/
Cover artwork by Hipgnosis
http://rateyourmusic.com/list/M_Patton/cover_artwork_by_hipgnosis/