メイルを送受信する「スキル」?

渡邉一樹「「PCメールを送受信できない」が7割〜『若年無業者白書』が示す「働きたくない若者」の実態」http://blogos.com/article/73577/


NPO法人「育て上げネット」*1のアンケート調査を基にした『若年無業者白書』という本*2の紹介。
ここでいう「若年無業者」とは「15歳〜39歳で、学校に通っておらず、収入を伴う仕事をしていない、独身の人たち」であり、「求職型」、「非求職型」、(就職)「非希望型」に分けられる。俗に「ニート」と謂われる人たちである*3
さて、「生活面では、「非求職型」や「非希望型」は、「求職型」に比べて集団活動をすることが少なく、家で過ごす時間が多いが、家の中でも活動的ではない」という。そして、「「非希望型」は、メールを送受信するPCスキルがないと答えた人が7割に及」んでおり、「求職型」や「非求職型」でも45%に達しているという。これを読んで、頭の中が????になってしまった。「メールを送受信するPCスキル」って何よ、と思った。それって「スキル」なの? メイルって、送信ボタンをクリックすれば否応なく送信されてしまうんじゃないの? メイル・ソフトを立ち上げてネットに接続すれば、或いはウェブ・メイルにログインすれば、メイルは自動的に受信されてしまう。「メールを送受信」できない人は何処で躓いているのだろうか。メイル・ソフトを立ち上げることができないのか、ウェブ・メイルにログインすることができないのだろうか。ただそういう人は、メイル以前の、例えばネットに接続するとか、もっと言ってしまえば、PCのアプリケーションを使うといったことに困難を感じてしまうのではないか。ということで、「メールを送受信するPCスキルがない」という事態を理解することが(私には)不可能なのだった。ただ、「自宅警備員」という言葉もあるけれど、「ニート」は自室に引き籠もってPCに向かってネット三昧という俗説はほぼ完全に否定されることになるね。そして、問題がさらに深刻なものになるということでもあるだろう。労働生活だけでなく(オンライン/オフライン問わず)社会生活それ自体からの撤退ということで。
本田由紀内藤朝雄後藤和智『「ニート」って言うな!』を取り敢えずマークしておこう。

「ニート」って言うな! (光文社新書)

「ニート」って言うな! (光文社新書)

「ネット上に「普通の若い女性」が「普通」に存在するということが感覚的にピンとこない」http://hatena.fut573.com/entry/2013/11/13/195633


そうなの? 私もインターネットを始めて20年近くになるけれど、ネット上に女性が「存在」することは全く自明なことだと思っていて、この方のような感覚を抱いたことは(多分)一度もない。それは、例えばオフラインで知っていた女性にネット上でも出会したということが偶々多かったということによるのかも知れない。
以前に書いたかも知れないけど、ネット上の言説について、特にジェンダーセクシュアリティに関するネタでない限り、著者の性別は殆ど気にしていない。ところで、あの「ちきりん」を男だと思っていたことがあるというのは私の〈黒歴史〉ではあるな*4