- 作者: 石上玄一郎
- 出版社/メーカー: 人文書院
- 発売日: 1977/06
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石上玄一郎『輪廻と転生−−死後の世界の探究−−』(人文書院、1977)から;
さて、さて?
[ティグリス、ユーフラテスの]両河地方の古代文化を調査した学者達は、その文化の様式がいろんな点で、漢民族のそれと似通っていることに着目した。
蒙古系と思われる系統不明のスメル人*1と漢民族の相似、両河地方から発掘される彩色土器と、陝西、甘粛から出土する彩色土器の関連性、両者の象形文字が近似している点、灌漑機構の類似、天壇の存在、煉瓦積みのバビロニア建築と万里の長城の望楼に見られる様式の一致、両者ともに占星術の発達していること、などからして例えばテリアン・ドゥ・ラクペリーなどは漢民族のスメル起源を唱えたほどである。
これらは未だに臆説の域にとどまっているものの、この相隔たった二つの地方に何らかの関連性があることだけは否定できない。
両者とも河川の治水灌漑機構を基礎とする農耕文化の下にあっては様式や習俗の一致は別に不思議ではないだろう。(p.62)
この石上玄一郎氏だが、2009年までご存命だったんだね;
石上玄一郎氏死去 作家石上 玄一郎氏(いしがみ・げんいちろう=作家、本名上田重彦=うえだ・しげひこ)5日午前11時22分、急性心不全のため京都市の介護施設で死去、99歳。札幌市出身。葬儀・告別式は近親者で行う。喪主は妻英子(ひでこ)さん。
著書に「精神病学教室」「彷徨えるユダヤ人」など。太宰治は旧制弘前高時代の友人。1939年、小説「針」でデビューし、幻想的な作風で人気を集めた。大阪成蹊女子短大(現大阪成蹊短大)名誉教授。
2009/10/08 12:06 【共同通信】
http://www.47news.jp/CN/200910/CN2009100801000344.html
*1:私はシュメールと表記することの方が多いと思う。