エロ記事の信頼性(笑)

承前*1

安藤美姫の出産を巡る騒動に関して、幾つか目についた記事。


安藤美姫バッシング」http://taraxacum.seesaa.net/article/369168865.html
安藤美姫バッシング(2)」http://taraxacum.seesaa.net/article/369446318.html
伊藤和子安藤美姫選手に対する常軌を逸した集団マタニティ・ハラスメントについて」http://bylines.news.yahoo.co.jp/itokazuko/20130707-00026249/ *2
武田砂鉄*3「女性アスリートに「処女性」を望む気配」http://bylines.news.yahoo.co.jp/takedasatetsu/20130715-00026452/
山口浩*4週刊文春を責めても始まらない」http://www.h-yamaguchi.net/2013/07/post-399b.html


武田さんのテクストでは、女子陸上選手の「無月経」の問題が取り上げられ、増田明美の「月経があると練習が足りない」と思われたという証言を引いている。女子陸上選手の「無月経」というのはかなり以前に聞いたことがあるが、それが女子スポーツ一般の問題なのか陸上に限定される問題なのかは知らない。山口氏のエントリーは(問題になった)『週刊文春』のアンケートについて、「週刊文春には、今回のアンケートを中止するのではなく、最後までやりきって、結果を示してほしかった」と逆説的に提案している。


(前回のエントリーでも引用した)『東京スポーツ』の記事だが*5、その道徳的クォリティ以外にも問題はあるよ。例えば「もしもこのまま「フィギュアをやらせると下半身がだらしなくなるのでは?」という懸念が、世間的に広がってしまうと大変なことになる」という表現。フィギュア・スケートをすれば、「下半身」は「だらしなくなる」どころか、括約筋が鍛えられて締まるのでは? (『東スポ』に限らず)駅売りのスポーツ新聞のウリはエロ記事だと思うが、こうして目玉のエロ記事の信頼性も疑問視されてしまうのだ。


昔、石川達三という文壇大御所的作家が女子体操などはスポーツではなくエロい見世物にすぎないと批判していた。この石川の批判(?)は


スポーツ 高級 健全
見世物  低級 頽廃


という前提が隠されている。勿論そういう前提を共有するつもりは全くないが、体操、フィギュア・スケート、それからシンクロナイズド・スィミングなどを(現代的な意味での)スポーツとして自明視することはできないと思う。寧ろ演劇や舞踏のようなパフォーミング・アーツの一種として考えるべきなのだ*6