承前*1
オレンジから青へ。
日本語のアオに漢語で対応するのは藍だが、青は漢語においてどんな色に対応しているのか。
Alison Jay Red, Green, Blue: A First Book of Colorsという絵本の中国語版では、Blueは勿論「藍」と訳されている。そしてTurquoiseは「青」と訳されている。(色名としての)Turquoiseの和訳は青緑。実際に、blueというよりもgreenに見える。しかしながら、「カリフォルニア大学の研究グループ」が世界中の言語から119をサンプリングして調査したところ、「「緑」と「青」を区別する言語は、三〇しかない」のだった(今井むつみ『ことばと思考』、p.21)*2。ところで、「「紺は青の一部か」というのは微妙な問題だが、多くの日本人は濃い青は「青」ではなく「紺」だ、というのではないだろうか」(p.22)というが、如何だろうか。「紺」は英語ではnavy blue若しくはdark blue。中国語では蔵青または深藍。日本語の藍(アイ)は英語のindigo blue、ジーンズの青ということでよろしいか。
Red, Green, Blue: A First Book of Colors
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- 作者: 今井むつみ
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*1:http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20130406/1365175255
*2:Kay, P., Berlin, B., Maffi, L., & Merrifield, W. “Color across languages” in C. L. Hardin & L. Maffi (eds.) Color Categories in Thought and Languages(2009)を参照している。