弗化水素酸

『読売』の記事;


フッ化水素酸で殺人未遂、靴に塗り足の一部壊死

 静岡県警は28日、山梨県山中湖村平野、会社員深沢辰次郎容疑者(40)を殺人未遂の疑いで逮捕した。

 発表によると、深沢容疑者は昨年12月5日頃、静岡県内の勤務先で、同僚の40歳代女性の靴の中にフッ化水素酸を塗り、女性を殺害しようとした疑い。女性は左足の一部が壊死(えし)し、全治3か月の重傷。

 深沢容疑者は「身に覚えがない」と容疑を否認しているという。捜査幹部によると、深沢容疑者は勤務先でフッ化水素酸を取り扱える立場にあったという。県警は、深沢容疑者が、女性に恋愛感情を抱いていたと見ており、動機の背景として追及する。

 日本中毒情報センター(茨城県つくば市*1によると、フッ化水素酸は毒劇物取締法で毒物に指定されており、金属の洗浄など工業用として使用される。触れると皮膚がただれるほか、大量に触れた場合は死亡することもある。
(2013年3月28日13時07分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20130328-OYT1T00765.htm

弗化水素酸に限らず、酸性の物質(例えば塩酸や硫酸)はものを腐蝕する、溶かす、爛れさせるということに由来するおぞましさを喚起する。特にこの弗酸は硝子を腐蝕する。また1982年に八王子の歯医者が幼女の歯に間違って弗化水素酸を塗り彼女を死なせてしまった事件*2を憶えている方も少なくないのでは?
警察が推測するように「恋愛感情」の末の「殺人未遂」だったとしたら、何故(如何にして)「恋愛感情」が毒靴に転化したのかということに、あまり上品とは言えない興味が湧くし、「深沢辰次郎容疑者」が主張するような冤罪だったとしても、今度は、その背後の〈陰謀理論〉的な事情が面白そうだと思ってしまう。