マインツとケルト?

Troubadours on the Rhine

Troubadours on the Rhine

Loreena Mckennitt*1Troubadours on the Rhineを最近よく聴いている。独逸のマインツでのライヴで、Loreena Mckennittがヴォーカル、ピアノ、ハープ、Brian Broadcastがギターとギター・シンセサイザー、Caloline Lavelleがチェロ。このような編成はケルト音楽では珍しいといえるのかどうか。
さて、ライナーにLoreena Mckennittは


On the spring evening of March 24, 2011, I was welcomed into the studios of SWR in Mainz Germany for an intimate concert attended by an enthusiastic audience. On arrival, I was soon to learn that this locale was in fact one more heritage site on the two millennia journey of Celtic history and it is delight to share another moment and one more step on the Troubadours' Road.
と書いている*2マインツケルトの歴史にとっての意味や如何に? ヴァンセスラス・クルータ『ケルト人』*3には何か出ているのではないかと思ったが、生憎手許になし。
ケルト人 (文庫クセジュ)

ケルト人 (文庫クセジュ)

収録されている9曲はWind That Shakes the Barleyなどに既に収められているものだがイエイツ*4の詩を歌ったものが2曲(”Down by the Sally Gardens”と”Stolen Child”)、テニスンが1曲(”The Lady of Shalott” )。英語では〈詩〉が〈歌詞〉として機能しているんだな、日本語で〈歌詞〉として機能している短歌は「君が代」しかないぞ、と下らないことを思ったりした。”The Wind That Shakes the Barley”の歌詞を書いたRobert Dwyer Joyceは19世紀アイルランドの詩人だが*5、あのJames Joyceとの家系的関係はどうなのだろうと思ったけれど、はっきりしたことはわからず。ただアイルランドJoyceという姓の起源や歴史については、


http://www.houseofnames.com/joyce-family-crest
http://www.reocities.com/seanachie28/joyce.html


があった。結局、19世紀の詩人も20世紀の小説家もアイルランドJoyce一族の一員ということでよろしいか。

Wind That Shakes the Barley

Wind That Shakes the Barley

話は変わって、キース・ジャレットのRio伯剌西爾リオ・デ・ジャネイロにおけるライヴ。ジャレットの2枚組ライヴ盤というと、誰もが『ケルン・コンサート』を思い出すのではないだろうか。『ケルン・コンサート』を聴くにはそれなりの覚悟(?)が必要だけれど、こちらの方はもっとお気軽に聴くことができる。それは『ケルン』が即興的且つ構築的な作品であるのに対して、こちらの方は15の断片の集積だということにあるのかも知れない。なおRioの聴きどころのひとつはキース・ジャレットの(グレン・グールドばりの)歌(?)でもある。またこれは、久しぶりに買ったキース・ジャレットのディスクであるだけでなく、久しぶりに買ったECMのディスクでもあるのだが*6、黄色とオレンジの抽象画というのは、ECMのジャケットとしては異例なんじゃないかとも思った。さて、池田信夫ちぇんちぇーがRioを2011年のベスト10に挙げている!*7 Bon IverのBon Iverも池田ベスト10に入っている! 経済学者などやめて音楽評論家になればいいのにと思う。
Rio

Rio

The Koln Concert

The Koln Concert

Bon Iver

Bon Iver