たしかに「南京事件」というのはあまり聞かない

承前*1
『毎日』の記事;


河村・名古屋市長:「南京事件というのはなかった」と発言

2012年2月20日 12時33分 更新:2月20日 12時56分

 名古屋市河村たかし市長は20日、表敬訪問を受けた同市の姉妹友好都市である中国・南京市の共産党市委員会常務委員らの一行8人に対し、1937年の南京事件について「通常の戦闘行為はあって残念だが、南京事件というのはなかったのではないか」と発言した。

 河村市長は旧日本兵だった父親が南京で45年の終戦を迎え「温かいもてなしを受けた」と話していたことを明かし「8年の間にもしそんなことがあったら、南京の人がなんでそんなに日本の軍隊に優しくしてくれたのか理解できない」などと述べた。

 さらに「真実を明らかにしないと、とげが刺さっているようなものでうまくいかない。一度、討論会を南京で開いてほしい」と求めた。

 南京事件を巡り河村市長は09年9月の市議会一般質問でも「一般的な戦闘行為はあったが、誤解されて伝わっているのではないか」と述べたことがある。

 また、名古屋市北区名城の国家公務員宿舎跡地の中国総領事館への売却問題でも、南京市の一行に対し「できれば遠慮していただきたい」と述べ、売却に否定的な見解を示した。【福島祥】
http://mainichi.jp/select/today/news/20120220k0000e040165000c.html

河村たかしは2009年にも同様な発言をして、それが中国でも報道されている*2。だから河村がそういう発言をしたということ自体は驚かない。ただ「南京市の共産党市委員会常務委員」に面と向かって言ったというのは無謀というか度胸があるというか。今度は河村が南京で開催してほしいといっている「討論会」に是非とも自ら出向いていただきたい。ただそのとばっちりが上海に及ぶと個人的には困ったことになるのだが。
たしかに「南京事件」という言葉はあまり聞かない。日本語で謂うところの「南京大虐殺」、漢語で謂うところの「南京大屠殺」、英語で謂うところのRape of Nankingならともかくとして。
ところで、この発言の困った効果はもう一つあるかも知れない。尻尾を振る河村にしっしする橋下徹の評価を相対的に引き上げてしまう可能性。