秦檜座れず

龔菲「江寧博物館秦檜坐像已撤展」『東方早報』2011年12月21日


今年9月にオープンした「江寧博物館」で(江寧人である)秦檜の坐像を展示していたところ、12月18日に岳飛の子孫で「岳飛後人聯誼会」の岳軍副会長が江西省九江から南京に乗り込んできて、秦檜の坐像を壊すよう要求した。博物館側はこれは「平反」(名誉恢復)を意味するものではないと弁明したが、結局坐像は博物館の倉庫に「永久」に封じ込められることになってしまった。岳軍は博物館の説明で秦檜を「名相」・「権臣」と形容していることにもクレームを付けている。秦檜は江寧の生まれで、2006年11月には江寧の清修村で秦檜の息子秦熺とその妻たちの墓が発見されている。
ところで、2005年に金鋒という上海のアーティストが「我們跪了492年、我們想站来歇歇了」と題した秦檜夫婦の立像を制作したが、このときも岳軍副会長は作品を破壊することを要求し、作品が展示されることはなかった。
因みに、秦檜は香港のジャーナリストFrank Ching氏*1の「先祖」のひとりである(See Ancestors)。

Ancestors: The story of China told through the lives of an extraordinary family

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