Just Survived

http://nikkan-spa.jp/81524


(修正された「マヤ暦」の計算によると)10月28日に世界は滅びる筈だったんだね。今こうして生きているということはそれを無事乗り越えたということで、取り敢えずはめでたいことだと言えるだろう。
さて、岩崎夏海*1


http://d.hatena.ne.jp/aureliano/20111017/1318836288


これは「承認欲求」の過剰*2で済む話ではなく、というか過剰とか過少といった量的な問題ではなく、或る質的な飛躍を感じてしまったのだ。
ところで、「自殺をしようとした時の話」というエントリー*3。岩崎の文章を読んで〈悦び〉という感情が生起したのは初めてだ。特に「生涯で二度目の自殺をしようとした時、ぼくは当時カンボジアに住んでいた父母の家に国際電話をかけた」という出だしがいい。凡庸なエクリチュールだと、「自殺」といえば動機だろということになって、その動機を探し求めるだらだらとした文が続くことになるのだろうけど、ここではそうした動機探しの誘惑がきっぱりと切断されて、いきなり「生涯で二度目の自殺をしようとした時、ぼくは当時カンボジアに住んでいた父母の家に国際電話をかけた」から始まっている。ここから描写の密度を濃くしていくといった仕上げをしていけば、いい短篇小説になると思う。