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Skeltia_vergberさん*1が『ブラック・スワン』からSteven Antinの『バーレスク』を想起していた。
それで、『バーレスク』を先日観た。感想はといえば、『バーレスク』におけるアリ(クリスティーナ・アギレラ)とニッキ(クリステン・ベル)との関係は『ブラック・スワン』におけるニナとリリーの関係とは違う。致命的な「鏡像関係」*2を構成してはいない。
『バーレスク』はきわめて正統的な青春映画という感じだ。アイオワ州のど田舎出身の少女が〈夢〉を抱いて、大都会(LA)に出てきて、努力を重ねてそれなりの成功を勝ち取る(序でに恋愛でも成功を収め、ステディな関係を獲得する)。また、これはテス(シェール)を女家長とするファミリーが外部(ここではマーカスというバブリーな不動産屋)の攪乱に耐えながら、メンバーが一致団結して、自分たちの居場所としてのファミリーを守り抜くという物語でもある。また、アリは孤児という設定であり、アリにとっては〈家族の獲得〉という物語でもある。アリとニッキの関係だけど、学園物に喩えると、クラスにおける女王様的存在の女の子がいて、転校生がやってきたために自分の地位が脅かされると感じて、すねて、一時は登校拒否を起こしたりぐれたりするけれど、やがて自分の行いを後悔して、担任の先生や同級生たちの許に帰ってくるという感じなのでは?
ところで、私の同年齢以上だと、クリスティーナ・アギレラもいいけど、もっとシェールの歌も聴きたかったよと思った人も少なくないのでは? そういえば、彼女がアカデミー主演女優賞を獲った『月の輝く夜に』は、シェールばかりが記憶に残って、もう一人の主演がニコラス・ケージだったということをつい今さっきまで忘れていたのだった。それはともかくとして、『バーレスク』の音楽がブルースとロックンロールをベースにしているのもけっこう気に入った。それから、振付師のショーンを演じたStanley Tucci、『プラダを着た悪魔』*3でもそうだったけれど、ああいうイメージが既に固まっているのか(非難しているわけでは決してない)。
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