何故同世代が?

http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20110709/1310185825に対して、


nessko
吉本隆明は、全共闘世代前後の一部の男の人にとっては「そのまんまの君でいいんだよ」と囁いてくれるオジサンだったんじゃないかとすら思うことがある。吉本からすれば、それは読む方がおかしいんだ、かもしれんが。 2011/07/09
http://b.hatena.ne.jp/nessko/20110709#bookmark-50234146
全共闘世代前後の一部の男の人」に対してということだとわからないでもない。例えば、辺見庸のような人が吉本と対談して、癒された気分になるとか(『夜と女と毛沢東』)。わからないのは、「全共闘世代」よりは平均10歳は若い〈新人類〉と呼ばれた俺の同世代でも吉本はけっこう人気があったことだ。反〈反核〉とか反〈反原発〉とかとは全く別の文脈で。1980年代初めに吉本の著作が(表記を一部わかりやすくして)リニューアルされ角川文庫から刊行されたということもあるかもしれないけれど。或いは、当時絶大な人気を誇った栗本慎一郎*1がプッシュしていたからかも。1980年代の吉本は、(勿論反原発ソング以前の)忌野清志郎*2を絶賛したり、坂本龍一と対談したり、スターリン遠藤みちろうと対談したりしていた。ただ、俺を含めた周囲の何人かはそれに対して、或る種の〈痛さ〉を感じていたけれど。江藤淳の『女の記号学』というような本に感じたのと同質の〈痛さ〉。「記号学」なんて全然ガラじゃないのに無理して(無理させられて)さ、というような。吉本の忌野清志郎論は栗本との対談本『相対幻論』に再録されていた筈。また、遠藤みちろうとの対談は『バターになりたい』に。吉本を巡ってまたひとつ記憶が蘇ってしまった。或る時、某女の子に唐突にsumita-m、『週刊プレイボーイ』の吉本のインタヴュー読んだ? 凄く反動的なこと言ってるの! と言われた。そのときは、吉本のことよりも彼女が『週刊プレイボーイ』を読んでいるということに軽いショックを覚えたということはあるのだが。 
夜と女と毛沢東 (文春文庫)

夜と女と毛沢東 (文春文庫)

女の記号学 (角川文庫)

女の記号学 (角川文庫)

相対幻論 (角川文庫 (6124))

相対幻論 (角川文庫 (6124))

バターになりたい―遠藤みちろう対談集

バターになりたい―遠藤みちろう対談集