「ご愛読ありがとうございます」

経済思想さんのご教示で知る。
『報知』の記事;


伊集院静氏コラム読みたくて「週刊現代」6週連続万引き

 京都・上京区コンビニエンスストア「サークルK堀川今出川店」で23日午前7時20分ごろ、週刊誌を万引きしたとして、京都府警上京署は、同区の無職・松岡幸治容疑者(64)を窃盗容疑で現行犯逮捕した。同容疑者は毎週月曜日の午前7時20分ごろに「週刊現代」1冊を盗んでおり、この日が犯行6週目だった。調べに対し松岡容疑者は「連載している伊集院静さんのファンで、コラムを読みたかった」と容疑を認めているという。

 上京署によると、17日の昼ごろ、コンビニの店長から「常習的に万引きをしている者がいる。防犯カメラを確認しにきてください」と相談があったため、その日から私服警官4人が店に出動。最新号が発売になったこの日、松岡容疑者が棚から本を取り出し、店の外に持ち出そうとしたところで身柄を確保した。

 同店では在庫確認の際、5週間連続で週刊現代だけがいつも1冊足りないことに気づいていた。不審に思った店長が先週、防犯カメラで確認したところ、松岡容疑者の犯行の瞬間が映っており、警察に相談した。

 週刊現代が同店に運び込まれるのが毎週月曜の午前4時ごろ。店員の白渕千春さん(24)は「(犯行に及んだ)午前7時20分ごろは、2人態勢の店員が運ばれてきたお弁当を並べたりしてレジに立てない時間。それを知っている人がやったはず」と“狙い撃ち”されていることを自覚していたという。松岡容疑者は毎日のように店に姿を見せ、店員のほぼ全員に顔を知られていた常連客だったため、逮捕を聞いても「ああ、あの人かと思った」と特に驚くこともなかったという。

 上京署の調べに対し、松岡容疑者は「酒やたばこなどの趣味がなく、週刊現代を読むことだけが楽しみ」と話しているという。伊集院さんの連載は見開き2ページで、立ち読みでも済みそうな分量だが「ゆっくり読むのがいい」とも供述。同署では、自宅で伊集院氏のコラムを熟読したいという強い欲求が、犯行の直接の動機となったとみている。ただ、一方で「読んだら捨てていた」という。

 同容疑者は、夕食用とみられる弁当などはきっちりお金を払って購入しており、生活費などには困っていなかったようだが、調べに対し「(定価300円台の)他の週刊誌に比べ400円というのが割高。金が惜しかった」と話している。

 講談社週刊現代編集部「ご愛読ありがとうございます。今後はお買い求めいただきますようお願い申し上げます」
http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20110524-OHT1T00044.htm

まあ1つや2つのコラムを目当てに雑誌を買うということはよくあることだ。昔野坂昭如のエッセイ目当てに『週刊朝日』を買い続けていたという知人がいた。俺も一時期四方田犬彦のエッセイ目当てで『SPA!』を(買いはしなかったけれど)発売日に必ず立読みしていた。また、週刊誌に限らず綜合雑誌なんかでもその中の1本か2本の論文だけを読みたいという場合、買うか買わないか迷うという人は多いのでは? 「松岡容疑者」に対して最も常識的なアドヴァイスは図書館でコピーしろよ! ということだろうか。また、『週刊現代』編集部に対しては、人気のコラムは(ヌード・グラヴィアみたいに)袋綴じにすれば? ということになるか。