「リンカーンの党」ではなく

PAUL KRUGMAN*1Abraham Lincoln, Inflationist” http://www.nytimes.com/2011/02/11/opinion/11krugman.html


共和党はずっと「リンカーンの党」と自称してきた。しかし最近はあまりそういわない。何故か。先ず、共和党の基盤が南部に移ったため。さらに、リンカーンは米国で最初に「所得税」を導入した大統領であり、金や銀の裏づけのない紙幣を発行した最初の大統領でもある。つまり、〈茶会〉運動や極右の人々にとって、リンカーンは〈諸悪の根源〉ということになり、これでは「リンカーンの党」という看板は隠すしかない。
ところで、クルーグマン先生は連邦準備制度批判の最先鋒である共和党のロン・ポール議員の通貨問題に関する小委員会に承認として呼ばれたThomas DiLorenzo*2というロヨラ大学の経済学教授に注目している。彼はLudwig von Mises Instituteのシニア・フェローで所謂リバタリアンで、連邦準備制度を批判し続けているのだが、それと同時に(というかそれ以上に)Lincoln Unmasked: What You’re Not Supposed to Know About Dishonest Abeというリンカーン批判本の著者、「現代の分離主義者(modern-day secessionist)」として有名である。
後半ではリベラルなリフレ派として、共和党のPaul Ryanを批判しているのだが、その中でなんとミルトン・フリードマン*3を褒めている!


After all, even Milton Friedman saw the conduct of monetary policy as a technical issue, not a matter of principle; his complaint about the Fed’s role in the Great Depression was that it didn’t print enough money, not that it printed too much.

But then Friedman, who believed that it sometimes makes sense to let your currency depreciate, who urged Japan’s central bank to adopt a policy very similar to what the Fed is doing now, was a leftist by the standards of today’s G.O.P.

さて、池田香代子*4が「茶会」勢力を賞賛しているということが最近話題になったようだが*5、以前から〈ユダヤの陰謀〉だのが好きな人たちの間では(上でクルーグマンも採り上げている)ロン・ポールとかの人気は高かったように思う。その人たちは所謂〈小沢信者〉ともかなりかぶっている筈。それから考えると、〈小沢信者〉が(例えば)河村たかし*6あたりにLOVEしてしまうというのもまあ納得できる。