駄菓子屋で挨拶など

『朝日』の記事;


「あいさつがない人、入店お断り」小田原の駄菓子屋さん(1/2ページ)

2010年11月27日12時28分


 「ピュン、ピュン」と古めかしい電子音を出すテーブル型ゲーム機や、10円硬貨で遊べる「エレメカ」ゲーム機。流行した1970〜80年代、ゲームセンターだけでなく駄菓子屋にもあった。神奈川県小田原市に、その当時と同様のゲーム機を置く駄菓子屋がある。

 神奈川県小田原市箱根登山鉄道箱根板橋駅から徒歩数分、国道1号沿いの駄菓子屋「懐かし横丁」。子どもたちが「こんにちは」と言いながら次々に訪れ、遊んでいく。全国のゲーム好きが集う「オフ会」の場としても知られる。

 入り口付近には「あいさつできない人は入店お断り」などと書かれた紙が何枚も張られている。店長の島野篤一さん(42)の発案だ。無言で店に入る人を見つけると島野さんが「あいさつをしない人は店に入れません」と注意する。大人も子どももあわてて「こんにちは」と返す。

 島野さんは今も昔もおもちゃが大好き。宝石デザインの仕事をしていたが、子どものころから集めてきたおもちゃを展示する場として駄菓子屋の営業を思い立ち、15年ほど前に「懐かし横丁」を開店した。

 10年ほど前に現在の場所に移転。大人も楽しめるようにと店内で軽食や酒なども出し始めた。だが、目を離したすきに貴重な収集品が紛失。万引き防止にと、客に「あいさつ」をしてもらうことにしたのが始まりだ。「何をいばっているのか」などと反発されたこともあるが、島野さんは「いつの時代もあいさつは基本。何より気持ちがいい」と言う。

 2年前に飲食部門を独立させ、小田原駅前で居酒屋「秘密基地」を開業。小学校生活を思わせる懐かしい品を盛り込んだ。食品業者に頼み、市内の小学校で実際に給食に出る「ソフトめん」を毎月2日だけ仕入れて定番メニュー化。希望者に小学校6年生の国語と算数のテストを出し、満点だと駄菓子がもらえる。
http://www.asahi.com/national/update/1127/TKY201011270107.html

「秘密基地」の店名にふさわしい「暗号」を取り入れた新サービスも企画中。何か懐かしい「魔法の言葉」を盛り込むかもしれない。

 「懐かし横丁」の常連だった子どもが、大人になって「秘密基地」を訪れることもあるという。島野さんは「地域の交流の場。いわば『裏の学校』です」と話す。(岩堀滋)
http://www.asahi.com/national/update/1127/TKY201011270107_01.html

色々と批判する人はいるようだけれど*1、オーナーのポリシーなのだからそれはそれで仕方がないだろう。まあ挨拶するというのはいいことであるし、客が店やそのスタッフに敬意を払うということもいいことだ。まあ、大声で元気に挨拶するというのが日本の美風かというとそうでもないとは思うけれど。少なくとも大人にとって美しい挨拶というのは、例えば無言で相手を一瞥しつつ軽く頭を下げ、相手も礼をし返すというようなものだろう。そういう意味では、元気な挨拶というのは日本文化の〈小学校化〉であると言えなくもない。勿論、店で挨拶するなんて嫌だという人も多くいるわけで、だからこそ、デパート、スーパー、コンビニ、或いは自動販売機といった商業形態が発展したともいえる。ところで、批判的なコメントを発している人の少なからぬ部分が新自由主義の根本ドグマのひとつであるフリードマン*2流のfreedom to chooseというイデオロギーを素朴に自明視している感じが見られることの方がキモいといえばキモい。
記事には店内の写真も添付されているのだが、私が子ども時代に行った駄菓子屋とは全然雰囲気が違う。ぴかぴかすぎて、shabby chic*3にはならない。
それから、「小学校」をイメージした居酒屋というのは東京にもあるみたいだけれど、こういうところで酒を飲みたがる気持ちは全然理解できない。