煙草でなく酒

小谷野敦「歴史に学ぶ禁煙ファシズム その1」http://www.pipeclub-jpn.org/column/column_01_detail_80.html


今月に入って3回目の小谷野敦*1。このテクストに引っ掛けて、煙草をネタにして何か書きたいとは思っているのだが、それは後日に回して、今回は酒について。
小谷野氏は現在の「禁煙ファシズム」を米国の「禁酒法」と比較している。そして、「禁酒法」について、「清教徒が作った国、米国ならではのことである」ともいう。勿論「禁酒法」の背景にピューリタニズムがあることは事実だろう。ただ重要な文脈として押さえなければいけないのは、当時の非WASP移民の増大、またそれに伴う政治腐敗ということだろう。地方政治家が酒場を経営していて、選挙近くになると、貧民に格安、ときには無料で酒を飲ませて、票を買収するということが当時は広く行われていたわけだ。「禁酒法」を巡る宗教思想的・政治的コンテクストについては、例えば岡本勝『禁酒法 「酒のない社会」の実験』をどうぞ、ということになる。

禁酒法―「酒のない社会」の実験 (講談社現代新書)

禁酒法―「酒のない社会」の実験 (講談社現代新書)

ところで、最近、妻がMad Menにはまっている。1960年代前半の紐育の広告業界を巡るドラマなのだが、俺はときどきちらちらと視るだけで、真面目に視ているわけではない。ただ興味深かったのは、登場人物全員がアルコール依存症じゃないかと思えるほど、みんな昼間からオフィスでウィスキーやらマティーニやらを飲みまくっていることだ。1960年代の米国ではこれが当たり前のことだったのかどうかはわからない。
マッドメン シーズン1 DVD-BOX

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マッドメン シーズン3 DVD-BOX

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