京劇など

http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20101004/1286215386に対して、


Nessko*1 2010/10/05 11:36
ゲイといえば、ディスコ音楽はゲイクラブ発の文化だったんじゃなかったか。
ドナ・サマーはディスコブームでスターになった印象が強いのですが、なぜかその後、ゲイ差別とも取れる発言をして、ゲイの人たちから抗議されてましたね。エイズについてのトンデモ発言だったか。

ジャマイカのレゲエですが、ボブ・マーリーは音楽で人を傷つけてはいけないと言って、それを実践してたようですが、そのとき念頭にあったのは、白人を敵視、攻撃するような歌詞だったのではないか。
エディ・マーフィーSNLでギャグにするくらい、レゲエに "Kill the white people" のようなフレーズが多いように早い時期から思われていたみたいで。
ジャマイカの中のクラブで歌ってるのなら気にされないんだろうけれども、海外でも聴かれるようになると問題になるんでしょうね。
アメリカでもアングラシーンでなら差別的な表現はいくらでも出てるだろうけれども、あのレゲエのリズムにのっかってると、妙にミスマッチなかんじがしておかしい、というのもあるかもしれない。

>ウィーン人や伊太利人にとってオペラを観に行くのは日本人が歌舞伎を観に行くのと同じなのでは?
たぶんそうなんでしょうね。オペラっぽいといえば、中国の京劇でしたか、丸亀に来た時観にいったんですが、役者の歌がすごい迫力で、オペラみたいだと感じた。合い間で入る殺陣が、オペラだとバレエになるのかな。
歌舞伎は、オペラというよりブロードウェーのミュージカルに近いかもしれませんね。町人文化的なカジュアルな華が魅力ですから。唄う人が楽器を演奏する人といっしょに並んでるのは、スペイン舞踏を連想させます。歌舞伎の場合は文楽の流れからそうなってるのかな。
http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20101004/1286215386#c1286246215

「ディスコ音楽」はゲイ文化とともに、伊太利系の文化にも関わっているのではないでしょうか。『サタデイ・ナイト・フィーヴァー』にも描かれているように。ヴィレッジ・ピープルもいましたけれど。
サタデー・ナイト・フィーバー [DVD]

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京劇は歌というよりもノイジーな音楽と動作ですね。文革時代の中国のプロパガンダ・ポスターが何故かっこよかったのかといえば、描かれた登場人物たちが見得を切っているというか、京劇のポーズで決めていたからなのだ*2。中国の劇で歌を最も重視するのは(私見によれば)広東語で演じられる粤劇なのでは? 何しろ香港には粤劇専門のカラオケ・ボックスが存在するくらいですから。
それから歌舞伎で「唄う人が楽器を演奏する人といっしょに並んでる」のはお能(囃し方と地謡)の踏襲だと思います。

ところで、「アメリカの大衆音楽では、もはや黒人音楽のテイストが優性、/メジャーなヒットも黒人音楽的な色合いの濃いものが多く、/白人の音楽のほうがレイス・ミュージック化してきているのかもしれない」ということですが、他方ではカントリーやブルースをひっくるめてアメリカン・ルーツ・ミュージックとして肯定していこうという流れもありますね。既に『ブルース・ブラザース2000』ではその志向を感じた。また、今年に入って、シェリル・クロウがソウル・アルバム(100 Miles from Memphis)を*3、シンディ・ローパーがブルース・アルバム(Memphis Blues*4をそれぞれリリースしていることの意味を考えなければならないかも知れない。

100 Miles from Memphis

100 Miles from Memphis

Memphis Blues

Memphis Blues