貝葉経

王瑩「版納叢林 千年“貝葉”」『東方早報』2010年6月30日


北京の人民出版社から『中国貝葉経全集』全100巻が刊行された。
「貝葉経是用鉄筆在貝葉上刻制佛経及其相関典籍而形成的専門経典。這種用貝葉記録文字的独特文化現象、起源於古代印度」。「貝葉」は日本ではバイタラと呼ばれている。ヤシ科の植物*1雲南の傣族では唐代に上座部仏教を受容して以来、この「貝葉経」を継承してきた。また、宗教的テクストの序文や後記には歴史、地理、天文、医学といった世俗的知識が埋め込まれているという。
人民出版社によれば、『中国貝葉経全集』の刊行には70名以上の専門家と高僧を動員し、9年かかった。『中国貝葉経全集』には150あまりの文献が収録されている。「貝葉経」の写真のほか、「老傣文」、「新傣文」、国際発音記号、漢文直訳、漢文意訳が付され、計9100万字以上。
上の記事では、「憶奉蓮花座、兼聞貝葉経」という李商隠の詩句が引用されているが、これが高橋和巳李商隠』に収録されているかどうかは、今手許にないので、確認できず。また、「傣族」については、鄭暁雲『全球化背景下的中国及東南亜傣泰民族文化』(民族出版社、2008)*2とか田汝康『芒市辺民的擺』(雲南人民出版社、2008)*3とか。