Identity Eliminating System

土曜日はStir Gallery*1にて、胡行易*2『身份消除系統(Identity Eliminating System)』のオープニング。
『身份消除系統(Identity Eliminating System)』と題された個展は以下の要素から構成されている。先ずは、胡行易が以前から描いている「擦硝子のように靄がかかった前景の向こうに判別不能な人の顔が見える。そのような抽象画のシリーズ」。そして、皿やプラスティック製の弁当箱に封じ込められた100以上の顔。同様に皿やプラスティック製の弁当箱に封じ込められた顔たちの破片。会場の中央に吊された鳥籠に入れられた、人の顔のかたちに焼かれたパン。これは籠の中の鳥たちによって、徐々に食べられていくことになる。アイデンティティは「消除」されるだけでなく、寧ろ「消除」されるためには構成されていなければならない。皿やプラスティック製の弁当箱に封じ込められた顔たちはそのことを示しているといえるだろう。
ところで、中国の現代アートで〈顔〉(それも匿名的な顔)といえば、方力鈞ということになるだろうか。