「ワースト」!

ゼロ年代の映画ワースト10_解説」http://hakaiya.com/best/zerw/top10.html


ここに挙げられた10本では、幸か不幸か、松本人志大日本人』しか観ていない。まだまだ修行が足りないな。『大日本人』の場合、「延々と続くインタビュー映像」に松本人志本人も結局は耐えられなかった。また、問題は松本人志に〈本編〉が撮れるのかということになるのかも知れない。あれが〈本編〉ではなく、10分かそこらのショート・フィルムだったらもっと違っていただろうということ。或いは、漫才やコントの延長では長編映画は作れないということ。さて、北野武の『監督・ばんざい!*1が「ワースト10」に入っていなくてほっとした。事実この映画は全くアレな作品で、これで北野武も終わりかもと思ってしまったし、「ゼロ年代の映画ワースト10」には当然入れられているだろうなと確信もしていた。しかし、その次の『アキレスと亀』を観ると、この駄作はこれが駄作であるが故に撮られるべき必然性があったのだということがわかる。というか、『アキレスと亀』は『監督・ばんざい!』の一種のリメイクであるとも言えるのだが、前作の空回りする自意識過剰な自虐性から距離を取り、テーマを映画から美術に置き換えることによって成功したといえる。

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さて、「日本映画史に残る大駄作」ということで、4本の映画が挙げられているのだが、私としては、深作欣二映画人生における汚点のひとつともいわれる『宇宙からのメッセージ』を挙げておきたい。米国における『スター・ウォーズ』のヒットを聞き及んだ東映が和製『スター・ウォーズ』として売り出そうとした映画。当時の東映上層部が下した厳命は、とにかく本物の『スター・ウォーズ』公開前に完成させて・公開しろというもの。『スター・ウォーズ』の日本公開が1978年の夏休みだったのに対して、『宇宙からのメッセージ』の公開は1978年のゴールデン・ウィーク。
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