「そもそも古代の英傑と比較するには人物の器が違いすぎます」(by t-hirosaka)*1ということが当て嵌まるのかも知れぬ。
「朝鮮学校」問題*2で悪名を馳せた中井洽について、さとうしゅういち氏曰く、
「旧民社系」については、日本における社会民主主義の捩れという大きな主題の一環として論じるべきなのだろうけど、勿論そのような能力も余裕もない。また、ベンチがアホやから野球ができへんと発言し、阪神タイガースを辞めさせられ、その後国会議員にもなった野球選手がいた筈。彼も民主党員じゃなかったっけ。
総理は「中井大臣更迭」「高校無償化除外撤回」決断を
2010年03月19日さとうしゅういち
鳩山総理は、「泣いて中井拉致問題担当大臣を斬るべし」。結論から申し上げますとそういうことになります。
■総理を「あほ」呼ばわりの中井大臣
朝鮮学校を高校授業料無償化から適用除外する事を主張していた中井拉致問題担当大臣が地元で総理をついに、「あほ」呼ばわりしてしまいました。
中井拉致問題相、「朝鮮学校生面会」を批判 (日経ネット)
http://www.nikkei.co.jp/news/seiji/20100314STXKG045513032010.html
「中井洽拉致問題担当相は13日、鳩山由紀夫首相が高校無償化をめぐり朝鮮学校生徒との面会に意欲を示したことについて「(首相は)あほなことを言わないでほしい。右往左往しているように見える」と批判し、朝鮮学校を無償化対象から除外する一貫した方針を示すよう求めた。津市で開かれた民主党支部大会で話した。」ということです。■国連人種差別撤廃委員会も懸念表明
さらに、17日の新聞各紙によると、朝鮮学校を高校授業料無償化から除こうとする動きについて、国連の人種差別撤廃委員会は、15日(日本時間16日)、懸念を表明しました。おりしもこの日、衆議院で高校授業料無償化法案が「子ども手当」とともに可決されました。
同委員会は、人種差別撤廃条約にもとづき各国の人権状況を審査しています。その中で、2001年以来9年ぶりに日本の人権状況を審査した結果をまとめました。その見解報告書の中で、「児童の教育に関して差別的な効果を及ぼしてきた行為」の一つとして、この問題について言及しています。
当然です。他の外国系の同様の学校については高校授業料無償化を適用しています。そして、朝鮮学校も多くの国立大学が「高卒資格」と認めている「現場実態」があるのです。現場では既に「教育内容は検証されている」のです。生徒さんには韓国籍の方も半数近くおられるし、少数ながら日本人もおられる。第三者機関がどうのこうのというのは、見苦しい。
だいたい、朝鮮学校を差別したら拉致問題が解決するのか? おそらく、しないでしょう。むしろ、金正日政府は、そのうち、こうしたことを逆手にとって、日本を批判したりしかねない。問題をこじれさせるだけの可能性のほうが高い。その上、いかにも「日本は差別をする国」というイメージを振りまいてしまい、国際的に不利になるだけです。
鳩山総理については、決断すべきことは二つ。
第一に、中井担当大臣は更迭することです。はっきり申し上げる。
もし、「あほ」よばわりされながら、中井大臣を更迭できないなら、田母神幕僚長や中山国土交通大臣を更迭(後者は半ば強制的な辞任ですが)した麻生前総理よりも鳩山総理のほうが頼りない、ということになりかねません。
第二に、朝鮮学校にも無償化を適用すればよい。
■「子どもは社会全体で支える」共有できない方々に引っ張られてはいけない
そして、今後は他の政策決定でも旧民社系の方々に過度に配慮しすぎないことです。もちろん、個人にもよりますが、子育て、労働問題、原発問題、産業政策て(sic.)など、全てにわたって古臭い考え方の方が少なくない。自民党・官僚が業界・大手企業を守り、大手企業が男性正社員世帯主(≒旧民社系労組員)を守る。それを通じた企業内福祉。そういう「自民・民社モデル」というべきものが頭から抜けないわけです。
こうした方々の「本音」は、民主党のマニフェストがめざす方向(子ども手当も、高校授業料無償化も、「子どもを社会全体で育てる」という理念に基づく)とも実は違うわけです。
ここで敢えて名指しは避けますが、旧民社系の方の党幹部の中には、「保育園に子ども
を預けるのはマルクス主義だ」などと考えておられる方もいてびっくりしました。経済界も、民営とはいえ保育園整備をビジネスチャンスとして推進しているわけですから、(旧民社系のこういう考えの方々にとって)経団連なども「マルクス主義」になるのか!? と新鮮な驚きを感じました。
大手企業正社員の男性が、専業主婦と子どもを経済的に養えば良い。そういう考え方の持ち主でいらっしゃるわけです。
あるいは、介護や医療現場について「女性に介護してもらったほうが直りが早いから男性差別止む無し」という。さらには、「他の産業では、女性を取らないのは仕方が無い。雇用機会均等法は邪魔だ」などという考え方の方がおられ、わたしは腰を抜かしたことがあります。
これでは「子どもを社会全体で支える」という民主党のマニフェストの理念との整合性がつかないのではないか? そして、「子どもを社会全体で支える」という理念を共にしていないから、結局、平気で「朝鮮学校を除外しろ」などということが言えるのではないか?
もちろん、現役の組合幹部の中に万が一こういう考え方の方がおられるなら、古い考えを改めないと、組合としての生き残りが難しいでしょう。そして、結局、それで苦しい思いをするのは、個々の労働者ではないでしょうか? 旧民社系の組合があるところでも、かなり現場は厳しくなっています。非正規も増えている。そういう中で、苦闘している現場も多い。最近は、経営側とかなりシビアな交渉になっているとも聞きます。
むしろ、問題は、旧民社系の特に(全てとは言いませんが)年配党幹部の方の認識なのでしょう。現場を離れているため、大昔の「自民・民社モデル」が成り立たないことが認識できていないのではないか?
一方で、総理も、「子どもを社会全体で支える」というマニフェストの考え方に反して、古臭い考えに引っ張られたら、今後、支持が低下します。むしろ、子どもの貧困問題についてキチンと取り組む、有志の議員の会も党内には出来ているわけで、そういう方向で総理も引き続き取り組んでいただきたいものです。
繰り返します。鳩山総理は、「泣いて馬しょくを斬る」ならぬ「泣いて中井拉致問題担当大臣を斬る」べし。そして、「子どもは社会全体で支える」をつらぬくべし。
http://www.janjannews.jp/archives/2907562.html
さて、生方幸夫民主党副幹事長が小沢一郎批判の廉で更迭されたそうな。生方を斬るに当たって、鳩山由紀夫が涙を見せたか見せなかったのかはわからない。これに関しては、色々なblogやニュースを引用しているhttp://blog.goo.ne.jp/harumi-s_2005/e/bd09bbc3cd4cd8d408374e631f34dd02が興味深かった。山崎行太郎*3と「晴天とら」*4の逝きっぷりは凄く、後者については、引用した人が「その下劣・醜悪さ、感性において/すでにネトウヨ以下の水準になり下がったようではあります」と赤字でコメントしているのだが、皮肉にも当の小沢一郎は寛容な態度を示しているようで、そのコントラストが面白かった。
それから、北朝鮮の「銃殺」問題*5に関しては、同じblogのhttp://blog.goo.ne.jp/harumi-s_2005/e/72a290e6437db35bb7c29fccaba3b536をマークしておく。『東亜日報』が伝えるところによれば、朴南基は「萬古逆賊」というレッテルを貼られたそうな*6。日本人がこの字を読めば、(不謹慎ながら)くすくす笑ってしまうけれど。
*1:http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20100315/1268587006#c1268621813 see also http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20100318/1268893681
*2:See http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20100311/1268311996 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20100315/1268594840
*3:http://d.hatena.ne.jp/dokuhebiniki/20100319/1268959465
*4:http://blog.livedoor.jp/hanatora53bann/archives/51529972.html
*5:See http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20100319/1268964315
*6:http://japanese.donga.com/srv/service.php3?biid=2010031983018