精進バーガーは如何?

承前*1

『よんななニュース』(共同通信)の記事;


仏、ブルカの次はバーガー論争 イスラム嫌い浮き彫り

 【パリ共同】フランスの大手ハンバーガー・チェーンが、イスラム教徒の多い地域の一部店舗を、イスラム教にのっとったことを示す「ハラル」の食材を使う専門店にしたところ、自治体の首長が「他の宗教の客に対する差別だ」と告訴するなど批判が起き、大きな論争になっている。

 同国では、イスラム教徒女性の全身を覆う衣装「ブルカ」の着用をめぐり、公共の場所で禁止する方向が議会の報告書で示されたばかり。批判の高まりはフランス社会における「イスラム嫌い」の広がりを示しているとの分析もある。

 問題となったのは、350店舗を展開する「クイック」。イスラム教徒が多く住む北部ルーベや南部マルセイユなどの8店舗を実験的にハラルの専門店とし、ベーコンを七面鳥の薫製に代え、牛肉も専門の解体処理をしたものに代えた。

 これに対しルーベの市長が、ハンバーガー店がイスラム教徒向きの食品しか置かないのは「差別だ」として検察当局に告訴。マルセイユ市長も「(商品に)選択の自由が必要だ」と批判した。
2010/02/25 16:15 【共同通信
http://www.47news.jp/CN/201002/CN2010022501000552.html

イスラム教徒向きの食品しか置かないのは「差別だ」」というのは殆ど在特会的なロジック。「ハラル」の料理を非ムスリムが食べていけないということはない。モスバーガーみたいな合挽ではなく純粋なビーフのパテを通常使っているとしたら、「ハラル」であってもハンバーグの味は殆ど変わらない筈。それよりも問題なのは「ベーコン」がないのが問題なのかも知れないが、それは他の店に行って下さいということでいいのだろう。「選択の自由が必要だ」という「マルセイユ市長」の「批判」を真に受けてしまうと、全てのファスト・フード屋が「ハラル」、それからユダヤ教徒向けのKosher*2その他のあらゆる選択肢を用意しなければいけなくなって、話は却ってややこしくなってしまう。
普通ムスリム系のレストランというのは(俺の知っている限りでは)看板にアラビア文字を使ったりしてイスラームらしさを演出しているものなのだが、元の記事にある店舗の写真を見る限り、そうした演出はないようだ。それよりも、Breakfastという英語がでかでかと書いてある方が仏蘭西ナショナリズムを刺戟するのではないか。Dejeunerと書け! 店の名前のQuickも英語だ。Prompt若しくはRapideにしなくちゃ。
ところで、ヴェジタリアンも当て込んで、精進バーガーの専門店を展開すれば、かなりいけると思うのだが、その場合も、肉食者に対する「差別」だということになるのか。