承前*1
http://anarchist.seesaa.net/article/127005829.html(via http://d.hatena.ne.jp/PledgeCrew/20090903)
総選挙で、森喜朗や古賀誠や安倍晋三や小泉進次郎が当選したことを巡って、例の穴空スト*2が吠えている;
今引用しなかった部分におけるレイシズムについては既に色々な人が指弾しているので*3、差し当たりいうことはない。また、「馬鹿な大衆」を軽蔑するのは良しとしよう。俺もそういうのは嫌いだし。ただ、「核爆弾でも投下されないとわからない馬鹿な大衆」というのは穏当ではない表現だと言っておく。
石川、筑後、山口、横須賀と核爆弾でも投下されないとわからない馬鹿な大衆なんだなぁと思ったよ。残念だけど、オマエラのところに大規模公共工事はやらせないからw
正直、民主主義ってのは「ヒトラー」も当選させる両刃の剣なんだよな。今回当選した自民党の戦犯どもは「ヒトラー」以下だけどさぁ。
さて、改めて問題だと思ったのは、「残念だけど、オマエラのところに大規模公共工事はやらせないからw」。「やらせないからw」という箇所で少なからぬ人がお前何様のつもりなんだよと感じるに違いないが、それはさて措いて、このセンテンスから、穴空ストの基本的な態度が〈自民党〉だということがわかる。「大規模公共工事」などの餌(出力)によって政治的忠誠の入力を調達してきたというのが自民党の手口だといわれていなかったっけ? 利権が欲しいならいうことを聞けというわけだ。「大規模公共工事」の是非は、自然環境などへの影響や経済効果等々を考慮して決められるべきであり、その地域の政党支持の分布に基づいて決められるべきではないだろう。
このエントリーの後半、穴空ストって実はけっこう教養あるのかも? と一瞬錯覚してしまったが、西部邁の丸写しじゃねぇかよ。
穴空ストには以下の批判あり;
この中で、「「大衆」はみな騙されている、われわれこそが隠された「真実」や「真理」に目覚めた選良であり、その「真理」によって大衆を指導し、民族と国家、社会を再建するという神聖な任務を与えられているのだとばかりに思い上がった連中によって生み出されたのだ」という部分は、陰謀理論を信奉する人たちのマンタリテとも共通していそうで興味深い*4。
明確に指摘しておくが、ファシズムというものは、君の言うような「馬鹿な大衆」が直接に生み出すものでもなければ、100年以上も前にトクヴィルやミルが危惧したような「衆愚政治」から直接に生まれるものでもない。ファシズムとは、イタリアの場合には左翼上がりで指導者を気取っていたムソリーニや取り巻きの三流哲学者ども、ドイツならば三流絵描きだったヒトラーや三文文士だったゲッペルス、あるいは思想家気取りのローゼンベルクや英雄気取りのゲーリングなど、君のように「馬鹿な大衆」などという言葉が大好きな連中と、その取り巻き。
言い換えるなら、「大衆」はみな騙されている、われわれこそが隠された「真実」や「真理」に目覚めた選良であり、その「真理」によって大衆を指導し、民族と国家、社会を再建するという神聖な任務を与えられているのだとばかりに思い上がった連中によって生み出されたのだ。
そして、自分もまたただの大衆であるにもかかわらず、「核爆弾でも投下されないとわからない馬鹿な大衆」だとか、「21世紀中年が夢想する、破壊的な革命計画」などという馬鹿げた大言壮語をことさらに好む、君のようなニヒリスト気取りの者らこそが、ニーチェやオルテガの言うようなほんものの「馬鹿な大衆」と言うべきなのであり、君のような虚言と虚勢の入り混じった人間こそが、その条件さえ与えられたならば、いつでも「ファシズム」を呼び起こし引き寄せるのだ。
http://d.hatena.ne.jp/PledgeCrew/20090903
*1:http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20090831/1251687079 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20090901/1251765483
*2:See also http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20090804/1249361814
*3:See http://b.hatena.ne.jp/entry/anarchist.seesaa.net/article/127005829.html
*4:See http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20050904 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20060812/1155398586 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20070930/1191131395 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20071002/1191307720 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20080831/1220214056 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20090729/1248840543