宗教史的妄想


私は1995年に大学院博士課程を単位取得退学してから、塾の仕事をはじめた。最初は高校受験の社会。翌年からは中学受験の社会の塾に変わり、さらに1997年からは大学で非常勤講師として日本史を教え始めた。高校受験の社会は2年半でそこの塾が閉鎖されたのでそれ以降はやっていないし、中学受験の方は3年目からは国語中心に転じたので社会からは基本的に外れ、社会に関してはサポートに回っている。この十数年ほどはそれでも小学生と大学生の歴史意識に関わる仕事をやっているわけだが、痛感するのはこの十年ほどで歴史に関する知識が大幅に減少していることである。大学で日本の通史を教えているわけだが、北条時宗を知らない学生が過半数。一応有力大学とみなされる大学で、新たに静岡県知事に就任した研究者も褒めちぎる大学である。そこの学生でも北条時宗の認知度は半数以下。小学校で学ばないのか、学んでも速攻忘れるのか。あげくに「高度すぎる」とクレームが来た。いや、小学校で本来学ぶべき内容を復習しているんですが・・・。
http://d.hatena.ne.jp/Wallerstein/20090709/1247096457
読んでいて、宗教史的妄想が涌き起こる。
勿論、生長の家世界救世教系諸教団を含む大本系を無視することはできないけれど、日本の新宗教の主流は創価学会にせよ、それとは対立する立正佼成会などの霊友会系教団にせよ、日蓮系である筈。その構図が崩れてきているのではないか。創価学会の子どもが「北条時宗を知らない」ということはあり得ない。