東西の音階など

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ウェーバーの『音楽社会学*1を引きながら、平均律を自明化した現代人の耳には純正律のような他の音階が奇異に感じられることを指摘している。武満徹がこれと同じようなことを述べているのが最相葉月絶対音感』に引用されていたことを思い出した。

絶対音感

絶対音感

先週、劉索拉『口紅集』*2を読了。そこに収録された「浅談音楽與神秘主義」の中で、中国古代音楽は「十二音律的体系」であり、それは季節や月の概念と関係があったが(p.168)、明から清に至って、宮廷の礼楽では嬰音(♯)や変音(♭)が全て「“淫声”的、“壊”的声音、“不純”的声音」として排除され、do so re la miの5音律しか残らなくなってしまったと述べられている(pp.171-172)。バッハが十二平均律を宣布したのはちょうどその頃。劉索拉は、中国で音楽が単純化される一方で西洋では複雑化されたと述べている(p.173)。